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軽井沢新聞 > ニュース 最新号 > 2013 No.122
軽井沢新聞 ニュース

町が将来ビジョンを計画 基本理念は

自然と文化が奏でる軽井沢

万平通り
目指す町の姿は、美しい自然そのもの。
四季折々に魅了する景観形成こそ、軽井沢の財産。
(第5次軽井沢町長期振興計画「基本理念」より)
写真は万平通り
 軽井沢町は2022年度までの、まちづくりの基本理念やビジョンを定めた第5次軽井沢町長期振興計画を発表した。これまでと違う点は、行政主導だった策定方法を見直し、町民や別荘所有者向けのアンケートやワークショップを実施して軽井沢町の目指す方向を探ったこと。目指すまちの姿は「美しい自然そのものにある」ととらえ、10年後の軽井沢町の理念として「自然と文化が奏でる軽井沢」を掲げた。
 軽井沢を東、中、西、南の4つの区域に分けて地区ごとの町づくりのビジョンを定めている。軽井沢駅は軽井沢のイメージを印象づける重要な場所として「クオリティの高い軽井沢らしい景観を目指す」とし、別荘地については、優良な別荘地を形成するため、「日常生活に不便であっても休養環境に優れた空間として守り続ける」と乱開発を牽制した。人口は1万9千945人(平成25年7月1日現在)から平成29年には2万100人、34年には2万1000人となることを予測。別荘件数は1万4千807件(平成23年)だが、今後は高品質な別荘地へと誘導を図り、10年後には増えても1万6千件程度に抑えたいとしている。基本方針の中で注目したいのが「軽井沢ブランドを活かした交流のまち」。滞在客は減少傾向にあるが、「数を競うのではなく滞在時間の延長や消費単価の向上を図る」。そのためにも別荘文化という軽井沢らしさを出し、質の高い保養地づくりを推進するという計画だ。その一つとして「観光を軸とした第1次、2次、3次産業の連帯化を図った第6次産業的なリゾートビジネス」を展開すると記述している。
 今回の長期振興計画は町民へ向けて7月に説明会を開き、藤巻町長が自ら説明に立つという熱意のこもったものだった。町長は説明の中で「先人がぶれずに築きあげてきたものを、一歩さらに進めて目標を達成したい」と語った。画期的な内容も含まれるだけに、これをどのように実現していくかが大きな課題となる。

旧ライシャワー家別荘、旧軽井沢ハウスが

国の登録有形文化財に

旧軽井沢ハウスの内部
旧軽井沢ハウスの内部
 国の文化審議会が7月19日に答申した登録有形文化財で、軽井沢町から旧ライシャワー別荘と、旧軽井沢ハウス(旧松方山荘)の2件が選ばれた。
 明治後期に建てられた旧ライシャワー別荘は、木造2階建ての洋館で、杉皮張りの壁が特徴。別荘を建てたアメリカ人宣教師、オーガスト・K・ライシャワーは、東京女子大学などの創立に関わった。駐日アメリカ大使を務めた次男のエドウィンは1961年、少年時代を過ごした同別荘を再訪。兄と背比べをして傷を刻んだ柱に、当時の背の高さを記し「1961E」と残している。
 旧軽井沢ハウスは、明治時代に首相を務めた松方正義の孫で、後にエドウィン夫人となる、春子が所有していた別荘。木造2階建てで、1927年頃の建築とされている。土管煙突と紅殻塗りの壁は、初期の軽井沢の別荘のシンボル。現在は軽井沢ナショナルトラストの会員が購入し、2012年からカフェ「涼の音」として利用されている。

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