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軽井沢新聞 スペシャル

Karuizawa Report 三善里沙子(エッセイスト)

緑と風を感じる軽井沢に

緑と風を感じる軽井沢にカフェ 涼の音
 ようやく、秋めいてまいりました。ごぶさたしましたがお元気でいらっしゃいましょうか。この夏も軽井沢で過ごさせていただきました。

 今年の軽井沢はクーラーが欲しいくらい暑かったり、ストーブをつけるほど冷えたり、いつもより寒暖の差が激しい夏でした。
 日中、街に出るとアスファルトの照り返しがきつく、木陰を求めたくなりました。やはり緑の多い所は涼しくてホッとします。街中では、観光会館前などをはじめとして、ぽつぽつと木が立っています。個人の方でも、みやぎさんなど、樹木を植えようという方は頑張っていらっしゃるのですが、何しろ全体的に少ないような……。
 はっきりいって、南口のアウトレットに押されてしまうのは、街歩きがいまひとつ楽しくないからではないでしょうか。いろいろ取りざたされるアウトレットですが、山と木と芝生と、自然を感じながら歩けるのは嬉しい。軽井沢の街も、緑で覆われていれば、散歩がてら歩く気にもなるものです。
 長年木の保護活動を続けている「しいある倶楽部」の鈴木美津子さん によれば、今までは枝を切ってと頼まれてきたけれども、今年は「切らないで」というお店の人の声が多かったとか。木の下で涼む人が多かったそうです。そんな鈴木さんは、今年はチャーチストリートをプロデュース。緑豊かに生まれ変わりました。
 また、スーパー紀ノ国屋跡に出店したSAWAMURAは、空間と緑がうまく調和し、好評でした。やはり新店舗のFOUNDRYは、フランスの田舎家風なアレンジで、奥行きもグリーンの配置も和みます。
 思えば、軽井沢のカフェも、老舗のミハエル、リスの来るラフィーネ、カレーのサジロカフェ、ベランダ的な涼の音、ハルニレテラスまで、開放的なテラススタイルが人気です。緑と風を感じられ、なにより空気が都会と違っておいしいから。
 好きだった旧軽のマッジオ・ダ・アダージオがなくなったのは残念ですが、テラスを引きつぎピレネー系列のVenusができました。
 街に話を戻すと、私が子どものときは、旧軽井沢銀座に行くのが楽しみでした。毎日でも行きたかった。そこには洒落たもの、他にないものがあり、素敵な人が居て、ドキドキワクワク、何かしら発見があったのです。
 いっぽうこの夏、ある路地は、もう数件の飲食店を除いて、シャッター街のように。これは、大変ショックなことでした。
 私の住む東京の杉並区は商店街活性化のために千客万来企画というのを区がサポート。私は選考委員として蛍を飼育する商店街などを選ばせていただいたのですが、その商店街は非常に話題になり発展しました。
 軽井沢町も、中長期の街の緑化とお店の育成を考えていただければ幸いです。現状は、若い人が意欲をもって店を始めても、資金も続かず一年でやめてしまうケースも多いとか。
 軽井沢は、一年ではなかなか人に知られることが難しい。せめて三年はなんとか頑張れるように、軽井沢に合うお店のサポートが助言も含めてできないものでしょうか。
 軽井沢銀座はやはり街の顔、かつては、本家銀座に勝るとも劣らないとまで言われていたのですから。 。
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