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軽井沢新聞 > トピックス 最新号 > 2014 No.137
軽井沢新聞 トピックス

県内で相次ぐクマ被害

餌求め行動範囲広がる可能性も

立て看板
クマとの遭遇注意を呼びかける立て看板。
 長野県の中信地方を中心に、熊の出没や人身被害が相次いでいる。軽井沢町内の、今年のクマの様子を調べた。
 軽井沢町役場と連携し、クマの保護管理活動を行うピッキオが、クマの餌となるクリやドングリといった堅果類の実り具合を調査したところ、今年は平年より凶作という結果となった。また今年に入ってから報告されているクマの目撃数は68件、捕獲数は16頭(錯誤捕獲除く)で、昨年の目撃51件、捕獲12頭より多いが、例年と比較すると平均的な数だという。電波発信機から分かるクマの行動範囲は、現在のところ国有林などの奥山が中心だが、今後餌を求めて別荘地などに出没する可能性もあるので、11月末までは注意が必要だ。
「軽井沢は森の町。今までクマと遭遇したことがないからと安心せず、クマ鈴の携帯などを心がけて下さい」とピッキオスタッフの田中純平さん。町の経済観光課農林係は、クマの出没状況などを随時発信するメール配信サービス「くま情報」などの活用を呼びかけている。

ISAK生徒、ピッキオで課外活動

ISAK生徒、ピッキオで課外活動
インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢の生徒3人が10月12日、課外活動でピッキオの研修を受けた。ピッキオスタッフの井上基さんが、野鳥の森を散策しながら、英語で軽井沢の動植物について説明。「クマは季節ごとに食べ物を変えて生活している。クマのいる森は植生が豊かな証」などと話した。フィリピン出身の男子生徒は「自分の国とは自然の種類が違う。良い経験になった」と話していた。

南軽井沢・発地のメガソーラー計画

自然保護審議会の許可に「納得できない」74%

東南の丘の上から写した写真
東南の丘の上から写した写真。
建物の後ろに広がる広大な緑が広がる
約3万坪(東京ドーム2個分)が予定地。

場所は馬取公民館近く、
乗馬倶楽部「リバリーヤード」の西側

敷地に入りきるだけパネルが並ぶ
(周囲は10m後退が義務づけられている)
波紋呼ぶ、初のメガソーラー

 南軽井沢のメガソーラー(大規模太陽光発電施設)計画について、軽井沢町の自然保護審議会は10月10日、委員16人が現地を視察したのち役場へ戻って協議し、「設置を認める」とする答申案をまとめた。  地目は原野だが、実際には敷地約3万坪の大半の緑が伐採されるということが大きな波紋を呼んでいる。軽井沢では初のメガソーラーであり、今後の設置計画の指針にもなることから、軽井沢新聞社ではアンケートを実施した。

知ったときには決定済み

 調査した10月下旬ではこの計画を知っていると答えた人は51%だった。しかし、よく聞いてみると、10月10日の審議会決定の報道で知った人がほとんど。知ったときには既に設置が認められていたことになる。
 この計画について賛成か反対かという質問に、賛成はわずか8%。賛成理由は「原発反対というなら太陽光発電は仕方ない」「町の基準に合っている」など。反対は70%だが、太陽光発電そのものを否定する人は少なく、ほとんどが「樹木伐採をしての太陽光発電は本末転倒」「休耕田や更地でやるべき」など、自然環境が破壊されることを心配する意見だった。

専門家からは心配の声も

 軽井沢自然保護審議会の決定に関しては「納得できない」とする人が大多数だった。
「納得できる」は少数だが、その理由として「町の設置基準に合っている」「家も建てられない、使えない谷地」「所有者の自由」などが挙げられている。
 軽井沢の自然に詳しい専門家たちも、アンケートを通して一様に心配の声を伝えてきた。『野生動物への2つの視点』の著者で軽井沢の自然に詳しい南正人さんは、「3万坪の林にはどのような生物が生存しているのか。そこの林を切り開くことで、地域的な絶滅を起こす生物がいないのかどうかを、調べてから結論を出すべき」とコメントを寄せた。
 南軽井沢に別荘があり地域政策に詳しい高崎経済大学教授大河原眞美さんは「3万坪の樹木を切ることがどうして景観上問題がないのか理解できない。今後、更にソーラーパネルの設置を認めることになり、樹木の少ない町になったら別荘所有者は軽井沢を見捨て、もっと自然が残って涼しい地域に移る。この審議会は、軽井沢のリゾート地としての価値が下がるということを考えていないのではないかと思う」
 軽井沢の樹木保護活動を続けてきた環境アドバイザーの鈴木美津子さんは「再生可能エネルギーに反対ではないが、木を切ってまで行うメリットがあるか疑問。野鳥や小動物が暮らす場を失う。湿原で使い道のない土地と言う人もいるが、地球環境を考えれば湿原としての役割があり自然にムダはない」とし、有志でこの計画に反対する署名を集め続けている。「役場がこのメガソーラー設置を認めたとしても、住民がこのまま何もしなければ、軽井沢って自然を破壊する町と思われる」。署名は年内続けるという(南軽井沢・発地メガソーラーを考える会FAX0267・42・1223)
今後は広さなど、上限を決めたい

 メガソーラー設置を認めたことに関して藤巻進軽井沢町長にその理由を尋ねた。「平成23年9月の議会で『再生可能エネルギー推進の町』としての方針を固めたことが根底にあり、今回の件は自然保護審議会の答申を踏まえて判断した。太陽光発電施設設置基準に広さの上限がないので、今後検討しなければと思っている」

南軽井沢のメガソーラー計画とは

軽井沢町発地668-1(馬取地区)、敷地面積:99,663㎡、(設置面積は51,692㎡だが、土地が変形であることと、「設置基準」で周囲10m後退しなければならないため)。
パネル枚数:19,980枚、最大発電数:約5,994kw

太陽光発電施設設置基準とは

1.保養地域のうち第1種低層住居専用地域には設置できない(例外あり)。
2.第1種低層住居専用地域及び用途無指定地域は敷地境から10m後退する(例外あり)。
3.太陽光の反射等により周囲に影響がある場合は防眩の対策を講ずる。
4.近隣への説明範囲は施設外周線から100m以内(面積が1ha以下の場合は50m)の範囲とする。
5.原則的に周囲への植栽(状況により常緑種)を行う。
6.やむを得ない事情によりフェンスを設置する場合は色は茶色とする。
アンケート結果

軽井沢町と信濃町が協定 災害時に協力

 軽井沢町と信濃町が10月27日、災害時に復旧作業などを協力する協定を結んだ。信濃町役場で両町長が協定書に調印した。協定では、生活路線や公共施設の応急の復旧作業、救援活動の妨げになる支障物の撤去、建築資機材の調達、技術者の派遣などで、相互に協力を要請できると定めた。今年2月の豪雪で多くの車が立ち往生したことから、軽井沢町が、除雪体制が整っている信濃町に協定を呼びかけた。

活用方法を募集している

三井別荘の一般公開に20人参加

三井三郎助別荘三井三郎助別荘
 活用法を公募している、旧軽井沢の三井三郎助別荘の見学会が11月2日にあり、20人が参加した。同別荘は1900年建築の、軽井沢に現存する最古の和洋並列型の別荘で、天皇陛下やインドの詩人タゴールなどにもゆかりがある。100年以上三井家が所有してきたが、2005年に現所有者が購入。建物は20年前から使われてなく、全体的に傷みが進んでいる。
 同別荘の保存を訴えてきた日本女子大学名誉教授の増淵宗一さんが、明治期の家具が残る建物内部を案内した。参加者の一人は「これだけ立派で、由緒ある別荘が使われていないのはもったいない。活用できるいい方法を考えたい」。用途が制限される第一種低層住居専用地域に建物があるので、「商売をするのは難しい。夏期の事務所として使うのはいいと思う」と別の参加者は話した。
 増淵さんは「活用しながら保存するのは有効な選択肢の一つ。クラウドファウンディングの手法で、多くの賛同者を集めて修復し、保存し活用するのもよいと思う」と話した。公募についての問い合わせは、TEL050-5835-0554まで。

老舗カフェを守り続けた夫人の

米寿祝いに260人列席

槙野あさ子さん。華道の師範としても活躍する槙野あさ子さん。
 ジョン・レノンゆかりの喫茶店「離山房」の“看板娘”、槙野あさ子さんの米寿を祝う会が11月3日に万平ホテルで開かれた。
 槙野さんは昨年で喫茶店のオーナーを引退。長年の労いも兼ねて、親交のあるエッセイストの玉村豊男さんらが発起人となって同会を企画した。全国から常連客らがお祝いにかけつけ、ジョン・レノンの息子でミュージシャンのショーンさんからはお祝いのビデオレターが届いた。
 槙野さんは「離山房はこの春に知人に譲ったが、まだまだ未練があるので、ちょくちょくお店に参ります」と看板娘現役続行を宣言した。

馬を連れて日本縦断の旅

碓氷峠を越えて軽井沢へ

愛馬みっちーとゆっきーの2頭を連れて旅する。愛馬みっちーとゆっきーの2頭を連れて旅する。
 北海道大学獣医学部6年の山川晃平さんは愛馬2頭を連れ、11月2日、碓氷峠を越えて南軽井沢の乗馬倶楽部「リバリーヤード」に到着した。
 山川さんは、数少ない日本の在来馬を調べる「在来馬をたどる旅」を続けている。8月30日に北海道を出発。東北を通り、ようやく長野県まで来た。旅の半分は野宿になってしまうが、旅先で人々との交流が楽しく、子供たちと馬を介してのふれあいも心和むという。一番苦労するのは「馬糞の処理」。取り残さないよう気を使うそうだ。
 長野県では木曽馬に会って、関西、九州、そして最終目的の沖縄与論島を目指す。

アトリエ・ド・フロマージュ

チーズコンクールでグランプリ

アトリエ・ド・フロマージュブルーチーズ100g1,296円
 東御市に本社があり、軽井沢町などで店舗展開する「アトリエ・ド・フロマージュ」のブルーチーズが、第1回「JAPAN CHEESE AWARD 2014」(主催:NPO法人チーズプロフェッショナル協会)で、最高位のグランプリを受賞した。
 同アワードは国産ナチュラルチーズのコンクールで、全国より61の工房が120のチーズを出品。均一に入った青カビとまろやかな風味が評価された。来年6月、日本の代表としてフランスのコンクールへ出場する。
 松岡容子社長は「第一回目で受賞できたのは本当に嬉しい。海外の人にどう評価されるか楽しみ」と話した。

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