春夏秋冬、季節が巡るように、一途な少女の恋を描いて52年
漫画家 みつはし ちかこ さん
みつはし ちかこ さん
背の低い女の子チッチが、ハンサムで長身の男の子サリーに抱く一途な恋心を描いた4コマ漫画『小さな恋のものがたり』を、デビューから52年にわたって連載。昨秋発表した単行本43集で区切りをつけた。
「春夏秋冬、季節がぐるぐる回るように、花が繰り返し咲くように、チッチとサリーの物語も巡り続けてきたように思います」と振り返る。アイデアに困ることもあったが、机にスケッチブックを置いて描き出すと「チッチの方から紙の中で動いてくれるんです」。
心不全に倒れ2008年から3年間休載した。歩くのも辛い時期が続いたが、「このまま中途半端で終わらせたくない」とリハビリに励んだ。何とかペンを握れるようになったものの、慣れ親しんだ付けペンでは筆圧が足りず、マジックペンで描ききった。
「何で自分は生かされたんだろう、とずっと考えていました。ファンとチッチには何度も励まされました」
今年、日本漫画家協会賞文部科学大臣賞と手塚治虫文化賞特別賞を受賞。同じ作品を半世紀以上にわたって連載した功績が評価された。
「デビュー前、手塚治虫先生に作品を見てもらう機会があり、『面白い』と言われ自信がつきました。その一年後、描きためた『小さな恋のものがたり』を持って、初めて出版社に売り込みにいき、デビューが決まりました」
2010年に続き今年7月に軽井沢タリアセン「睡鳩荘」で開催した原画展のため軽井沢を訪問。かつて雑誌『いつかどこかで』の取材で訪れたこともあり、軽井沢には懐かしさがある。
「緑いっぱいで、きれいな湖があってロマンチック。チッチとサリーにはぴったりの場所ですね」
『小さな恋の…』はひと区切りしたが、「どんな形でもいいので、チッチを見せてほしい」というファンの声は絶えない。
当の本人は「続編は考えていない。43集の続きは読者のそれぞれの想像にお任せしたい」。40年以上、二人三脚で苦楽を共にした担当編集者の山崎園子さんは、「常にチッチは彼女の中にいる。これからどう突き動かされるかはわからない」と含みを持たせた。
気長に待っていれば、ひょっとどこかで、チッチに会える日がやってくるかもしれない。
「春夏秋冬、季節がぐるぐる回るように、花が繰り返し咲くように、チッチとサリーの物語も巡り続けてきたように思います」と振り返る。アイデアに困ることもあったが、机にスケッチブックを置いて描き出すと「チッチの方から紙の中で動いてくれるんです」。
心不全に倒れ2008年から3年間休載した。歩くのも辛い時期が続いたが、「このまま中途半端で終わらせたくない」とリハビリに励んだ。何とかペンを握れるようになったものの、慣れ親しんだ付けペンでは筆圧が足りず、マジックペンで描ききった。
「何で自分は生かされたんだろう、とずっと考えていました。ファンとチッチには何度も励まされました」
今年、日本漫画家協会賞文部科学大臣賞と手塚治虫文化賞特別賞を受賞。同じ作品を半世紀以上にわたって連載した功績が評価された。
「デビュー前、手塚治虫先生に作品を見てもらう機会があり、『面白い』と言われ自信がつきました。その一年後、描きためた『小さな恋のものがたり』を持って、初めて出版社に売り込みにいき、デビューが決まりました」
2010年に続き今年7月に軽井沢タリアセン「睡鳩荘」で開催した原画展のため軽井沢を訪問。かつて雑誌『いつかどこかで』の取材で訪れたこともあり、軽井沢には懐かしさがある。
「緑いっぱいで、きれいな湖があってロマンチック。チッチとサリーにはぴったりの場所ですね」
『小さな恋の…』はひと区切りしたが、「どんな形でもいいので、チッチを見せてほしい」というファンの声は絶えない。
当の本人は「続編は考えていない。43集の続きは読者のそれぞれの想像にお任せしたい」。40年以上、二人三脚で苦楽を共にした担当編集者の山崎園子さんは、「常にチッチは彼女の中にいる。これからどう突き動かされるかはわからない」と含みを持たせた。
気長に待っていれば、ひょっとどこかで、チッチに会える日がやってくるかもしれない。
- No.148(2015年10月) ソニー名誉会長大賀典雄夫人、ピアニスト 大賀 緑 さん
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