野良猫増加の成沢区で「地域猫活動」の勉強会
飼い主のいない猫(野良猫)増加の課題に取り組む成沢区は12月17日、佐久保健福祉事務所の職員を講師に、同区公民館で勉強会を開いた。地域住民や町環境課職員ら約30人が参加した。
同事務所食品・生活衛生課の飯塚春彦さんが、繁殖の抑制と適切な管理で野良猫との共生を図る「地域猫活動」の進め方や、佐久地域内の成功事例を紹介した。
説明によると、捕獲し不妊化手術をした猫は、耳の先端をカットし元の場所に戻す。その後も決まった時間、場所で、決まった量の餌をあげるようにし、周辺住民らで情報を共有するなど「地域のみなさんの理解と協力が何より大切」とした。
また、地域猫活動をすることで「猫は増えずに徐々に減っていく。決まった頭数を管理していれば、縄張り意識があるので、他の猫が入ってこない」とメリットについても話した。
24年秋、27匹に不妊去勢手術 住民やボランティアが費用を全額負担
成沢区ではプリンス通りと矢ヶ崎川に挟まれた区域を中心に、約20年前から野良猫が生息。近年は頭数が増え「畑を荒らす」「車庫を糞尿でいっぱいにする」などの被害も。困った住民が保護猫を飼育する上田市の友人に相談すると、同市で猫の保護に取り組むボランティアを紹介してくれた。
町外のボランティア数人と同区住民らで協力し10月中旬に17匹、11月中旬に10匹を捕獲。動物病院の移動手術車で避妊・去勢手術を施したのち、成猫は捕獲場所で放し、子猫は新たな里親を探すため、ボランティアが引き取った。手術にかかった計約20万円は、ボランティアと地域住民が負担した。
不妊化手術の補助金制度ない軽井沢町「まずは地域の体制作りを」
軽井沢町には猫の不妊去勢手術費に対する補助金の交付制度がない。同じ北佐久郡内の御代田町では、野良猫に対し手術費の2分の1(上限は不妊10,000円、去勢5,000円)、立科町では飼い主がいるかどうかを問わず交付(上限は不妊8,000円、去勢5,000円)している。
17日の勉強会に参加していた町環境課長は、補助金導入は検討しているとした上で「地域猫は手術代を補助して終わりではない。餌やりの仕組み作りなど、地域の皆さんが協力し、管理できる体制を整えることも必要」と慎重な姿勢を示した。
同区内ではまだ「耳カット」のない個体も数頭確認されている。猫の捕獲・手術に携わった同区の住民は「3月には猫が発情期を迎え、さらに子猫が増えたら、秋の手術が無駄になってしまう。補助金なしで取り組むには負担が大きすぎる」と気を揉んでいる。
(ネコの写真はイメージ)