軽井沢のチョウを追い続けて50年の栗岩さん 全119種掲載のフォトエッセイを発表

 軽井沢のチョウを中心に撮影を続けるネイチャーフォトグラファー、栗岩竜雄さんがフォトエッセイ「軽井沢探蝶物語」(さくら舎)を4月に刊行した。これまで軽井沢で撮った全119種のチョウを、撮影できた順に掲載。チョウの特徴に加え、撮影時のエピソード、それぞれの種への思いも綴った。

 子どもの頃に軽井沢で採集して以来、全く出会えず45年ぶりに見つけた「ウラナミアカシジミ」は、2回シャッターを切ったうちの1枚を掲載している。「ピントや角度は二の次。逃げられないように必死でした」。

 小学4年で昆虫クラブに入ったのを機に、軽井沢でチョウの観察を始めて今年で50年。土地開発により草原が失われ、以前はよく見かけたのに全く見られなくなったチョウがいる一方、温暖化のため最近初めて目にした暖地性のチョウも。「軽井沢にいる蝶を全種撮影したい」と始めたが「ここまでやったら終わり、というのが見えなくなってきている」。それでもウラナミアカシジミ同様、子どもの頃に軽井沢で採集した記録はあるものの、まだ撮影できていないクロヒカゲモドキとツマジロウラジャノメの2種だけは、写真に収めたい気持ちがある。「『これだけやって撮れなかったんだから諦めるしかない』と思えるまでは、全力を尽くして撮影を続けたい」と話した。

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「軽井沢探蝶物語」を手にする栗岩さん。町内では軽井沢書店、小さな美術館軽井沢草花館などで販売。2200円。

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