次世代のベアドッグ残す挑戦、ピッキオが繁殖を目指す
軽井沢町の委託でツキノワグマ対策を行うNPO法人ピッキオが12月11日から、次世代のベアドッグ(クマ対策特殊犬)を繁殖するため、クラウドファンディングで資金集めを始めた。同法人による繁殖プロジェクトは、2018年のタマ(10歳)に続き2回目。そのとき生まれた娘のレラ(5歳)と、プロジェクトリーダーでハンドラー(飼育士兼訓練士)の田中純平さんが、24年春の繁殖に向け準備を進めている。
クラウドファンディングで資金集めスタート
プロジェクトでは、アメリカのベアドッグ育成機関「Wind River Bear Institute(WRBI)」から、オス犬やスタッフを招致し、レラの発情サイクルに合わせ自然繁殖を試みる。移動費や人件費、滞在時のケア、出産後のベアドッグとしての適性検査に係る費用などを合わせると、総額は約600万円に上る。企業や個人支援者からの助成金も充てるが、カバーできない300万円分をクラウドファンディングで補填したい考えだ。
当初の計画では23年夏にレラの自然繁殖を予定していたが、相手のオス犬の狂犬病ワクチン摂取などが遅れ、来日が交配予定日に間に合わない可能性が生じ断念。WRBIから輸送されたオス犬の凍結精液による人工繁殖を試みるも、受胎は叶わなかった。
レラは初産としては出産適齢期を迎えるといい、田中さんは「軽井沢でのベアドッグ活動を継承していくためにも、少しずつでもベアドッグたちが他地域でも貢献していくためにも、もう一度レラと一緒にがんばってみたい」と、クラウドファンディングへの協力を呼びかけている。支援募集の終了は2024年1月31日。
クラウドファンディングのサイトへのリンク
人とクマとの共存のために働く犬「ベアドッグ」を未来へ繋げたい!
繁殖にチャレンジする田中さんと、ベアドッグのレラ。(ピッキオ提供)