「きのこ様」の愉快な軽井沢滞在を描いた 小説「きのこ様―軽井沢の便り―」
頭はシイタケ、胴体はシメジのお嬢さん「きのこ様」による、軽井沢での様々な体験を描いた小説「きのこ様--軽井沢の便り--」(文芸社)。愛知県豊川市の八墨彩さんが8月に発表した。
きのこ様の言動を、お付きの御條(ごじょう)が手紙にし、イギリス赴任中のきのこ様の父に宛てる形式でストーリーは進む。コース料理を食べるのに奮闘したり、キノコ狩りへ出かけたり、ダイエットで始めたゴルフがバンカーばかりだったり...。いつも我が道を行く、食いしん坊でお茶目なきのこ様と、翻弄される御條のやりとりが、ユーモアたっぷりに描かれる。白糸の滝や雲場池などの名所、美術館や町内のお店も多く登場する。水彩の挿絵もすべて八墨さんが描いた。
八墨さんは日本女子大学在学中だった10年ほど前、セミナーのため初めて訪れた軽井沢に魅了された。その当時、きのこを主人公にした物語を思いつき、卒業後も家族らと毎年のように訪れ、物語の構想を膨らませていったという。きのこを主人公にした理由について、八墨さんは「植物などの自然に話しかけたり、人と自然の境界線をなくしてくれるキャラクターにしたかった」と話した。
1760円。万平ホテルの臨時売店、軽井沢高原文庫、エホンゴホン堂などで購入できる。