信大の寄付講座の公金支出 住民監査請求は棄却
3月13日提出の住民監査請求について、監査委員会は、5月11日に監査結果を町や監査請求人などの関係者に監査結果(請求棄却)を通知した。「信州大学やその職員の支出については信州大学の問題であるため監査の対象外」とし、町長や町職員については違法又は不当な公金の支出があった事実は認められないと請求を棄却した。理由としては、信大との覚書により支出され、町議会の承認の決議もなされている点などを挙げている。
監査結果では、監査請求の対象が信大やその職員であることに言及し、今回の監査請求を却下することもできたが、監査請求人の意見等には「傾聴すべき主張が存在し、その主張に耳を傾けることが町の将来にとっても重要」と監査した経緯について述べている。
また付帯意見では、信大との覚書にある報告書の提出がされていない年度もあり、事務処理の手続きに不備があったとこを指摘し、適切な事務処理の徹底を求めた。
町は、ホームページで、監査結果、監査請求人の一連の書面を公開している。
監査請求人の一人、大河原眞美さんのコメント。
「棄却ではあったが、監査請求人の主張や意見について一定の評価がされたことは有難い。
信大寄付講座規定では、寄付者(町)が会計検査を出来ないため、寄付金の運用は偏に信大の良識に委ねられている。一方、大学やその職員は国の研究費の運用には厳格な使用ルールがあり遵守している。国の研究費も町の寄付金もお金の出所は税金。信大側も国の研究費と同様の使用ルールに則って寄付金の運用にあたるべきであった」