名著を次世代へつなぎ 本と人を結ぶ活動
「本と出合う場所」を作りたいと、編集者の坂口惣一さんが「軽井沢 本の學校」を立ち上げた。校長に中央公論社などで編集者を務めた河野通和さんを迎え、今読むべき名著を選び、ゲスト講師による講座と軽井沢の散策などを組み合わせて授業を構成する。10月16日に行われた1回目の授業では、河合塾の現代文講師・三浦武さんが小林秀雄の『鐔』を読み解き、難文とされる独特の文章が持つ味わいや深みを伝えた。講座の前には河野校長が案内人となり、文豪が過ごした軽井沢を散策した。
主催者の坂口さんは2020年に移住し、軽井沢で出版社「あさま社」を創業。「軽井沢に来て仕事の意味を考えるようになり、本作りを通じて次世代に貢献したいと思うようになった。『本の學校』は名著と出合い、未来へ渡していく場所にしたい」と話す。2回目は12月18日ライジングフィールドで、北極探検家の荻田泰永さんを迎えて開催する。
三浦さん(左)と河野さん。この日は音楽愛好家の小林秀雄にちなみ蓄音機で名盤レコードの鑑賞も行なわれた。