医療従事者に感謝 バリトン歌手が軽井沢病院で熱唱
中国・北京市出身で軽井沢町在住のバリトン歌手、崔宗宝(サイソウホウ)さんが5月20日、町立国保軽井沢病院でコンサートを開き、新型コロナの最前線で業務にあたる医療従事者に感謝の気持ちを表した。コンサートは外来診療の終わった夕方、1階待合室で実施。医師や看護士、事務スタッフら約50人が、重厚感のある歌声に聴き入った。
崔さんはオペラ『フィガロの結婚』のアリア「もう飛ぶまいぞこの蝶々」や、「アメイジング・グレイス」「荒城の月」など、ピアノの弾き語りも交えながら計10曲を歌い上げた。アンコールでイタリアの大衆歌謡「フニクリ・フニクラ」を歌うと、軽快なリズムにあわせて手拍子も起きた。
看護士の女性は「久しぶりに非日常的な歌の世界に触れることができた。声量と声の厚み、全てに圧倒された」。稲葉俊郎院長は「歌声の振動で空間が揺れているのを全身で感じられた。病院という空間で聴くのも新鮮ですね」。
新型コロナまん延防止で公演中止が続き、人前で歌うのは久しぶりだったという崔さん。コンサートを終え「マスクをしているが、みなさんの目が笑顔になっているのはわかった。こちらも元気をもらえた」とにこやかに話した。