旧三笠ホテル、大正~昭和初期の外観復元へ カフェも新設
軽井沢町は5月27日の議会全員協議会で、大規模保存修理工事が進む、国重要文化財旧三笠ホテルの再開後の活用案を示した。建物は耐震補強を含む修理工事のため2019年12月末から休館中で、2024年の再開を予定している。
ホテルは1905(明治38)年建築。その後改修を繰り返す中で、時代ごと外観が少しずつ変化してきた。今回の修理工事では、創業当時の姿になるべく近づけるため、全体像を把握している中では最も古い、大正~昭和初期の外観を復元する。
当時、1階東側のダイニングルームにあった車寄せを再現。これまで使っていた建物中央の出入り口を塞ぎ、ダイニングルーム側へ変更する。バリアフリー化のため、既存棟の東側にエレベーター棟を新設し、トイレも隣接させる。火災対策として、防火水槽とポンプ室も新たに設置する。
建物1階にミュージアムショップ、2階にカフェスペースを新設。旧三笠ホテルが歩んできた歴史をパネルや映像で紹介する部屋なども設ける。
議員から「収益は見込めるのか」と問われると、町教委の担当者は「軽井沢町の文化施設の大きな柱が旧三笠ホテル。工事前は年間7万人以上が来館し、2500万円強の収益があった。より収益性の高い活用をしていく」と応じた。
また、建物内部の解体調査を進める中で、漆喰壁の下地モルタルからアスベストの検出を確認。飛散防止措置の工事が新たに必要になり、町は6月会議提出の補正予算案に1200万円を追加している。