馳星周さん『少年と犬』が直木賞
軽井沢在住の作家、馳星周さんの『少年と犬』(文芸春秋)が7月15日、第163回直木賞に決定した。1997年、デビュー作『不夜城』の初ノミネート以来、7度目の候補でついに受賞した。『少年と犬』は、東日本大震災の被災地から南を目指して旅する一頭の犬と、様々な人との絆を描いた連作短編集。
生まれ故郷の北海道浦河町で、受賞の知らせを受けた馳さんは、リモート会見の中で「直木賞はとても嬉しいが、それを目標に小説を書いているわけではない。今までいただけなかったのは自分が未熟だったんだろうし、今回はデビューして20何年間、一生懸命小説に向かい合ってきたことが評価されたものと思っている」と喜びを表した。