岩手県大槌町訪問の児童・生徒18人が報告「あたり前のことを大切に」
東日本大震災の被災地岩手県大槌町を訪問した軽井沢の小中学生の報告会が8月31日、町中央公民館で開かれた。現地での交流を通じ、感じたことなどを学校ごと発表し、保護者や町関係者ら約50人が耳を傾けた。
町内3小学校から児童3人ずつ、軽井沢中学校の生徒会役員ら9人、引率者5人の計23人は、7月29日から31日まで大槌町に滞在。小中一貫校大槌学園で、現地の生徒らと交流したり、震災を語り継ぐ「語り部ガイド」の案内で町内を巡ったりした。軽井沢の児童、生徒らが資源回収や募金で3年間かけて集めた資金でつくった、軽井沢彫の大槌学園の校章も持参。贈呈式で校章を見た大槌学園の生徒からは「大きな歓声があがった」と話した。
学校ごとの報告では「一人ひとりが大槌のことを考えたり、思ったりしたその分だけ、大槌と繋がっていく。これからも資源回収などの活動を通じ、繋がっていけるよう頑張っていきたい」(軽井沢中学生徒)。
「心に残っているのは、『あたり前のことを大切にしてほしい』という大槌の人たちの思い。いつもの学校、いつもいる友だち、いつもの自分の家、その当たり前の存在を大切にしたい」(軽井沢東部小6年行田優空さん)。
「震災当時の様子を想像すると、とても悲しくなってくる。語り部の方が話していた『人を大切にする』ということ、忘れないようにしたい」(軽井沢中部小6年清水真佳さん)
「ご飯を食べたりお風呂に入れる幸せを、改めて考えさせられるいい機会だった。今こうしていられることに感謝したい」(軽井沢西部小6年水澤胡桃さん)などと発表した。
報告を聞いた藤巻進町長は「目で見えることだけでなく、心で感じたことの発表を聞けた。素晴らしい。皆さんの交流が大人を動かす原動力になる。これからの活動にも期待している」と話した。