鐘の音響かせ軽井沢に別れ 聖パウロ教会のカルロス神父母国へ
1959年に来日し、64年から半世紀以上、軽井沢聖パウロカトリック教会の主任司祭を務めたカルロス・マルティネズさんが3月28日、多くの町民らに見送られ、母国のコロンビアへ旅立った。
カルロスさんは、見送りに来た人とあいさつをかわし、写真撮影に応じた。正午には、教会敷地にある鐘を打ち鳴らし「私は生まれ故郷に戻りますが、本当のふるさとは軽井沢。心から皆様に感謝します」とあいさつ。1950年代の愛と別れの歌「ヴァヤ・コン・ディオス」を歌い、成田空港へ向かう車に乗り込んだ。
集まった人らは手を振りながら「アディオス」「ありがとう」などと声をあげ、涙ぐむ人の姿もあった。2年前から、同教会で会計を担当している土谷洋子さんは「軽井沢のために長年尽くしてくれ、ありがたい気持ちでいっぱい。お元気な姿でお見送りできたのは何より」と心境を語った。
カルロスさんは、信者以外のカップルにも教会式を挙げられるよう開放し、これまで1万5000組以上を祝福した。長年にわたり、聖パウロ幼稚園長も務め、80歳の誕生日までは大型バスで園児の送迎もした。聖パウロ教会主任司祭の後任は、カトリック横浜教区事務所にいた高野哲夫さんが務める。