凍てつく夜、水浴び走る男たち 熱気むんむん「寒の水」
一年で最も冷え込むとされる二十四節気の「大寒」の時期のまつり「寒の水(かんのみず)」が1月20日夜、御代田町の草越地区であった。「水行者(すいぎょうじゃ)」と呼ばれる、赤ふんどしとわら草履姿の20~50代の男性60人が、地区内6カ所で冷水をかぶり、約1kmのコースを駆け抜けた。
この日の夜の気温は氷点下5℃、積雪は約40cm。午後6時、水行者が公民館から一斉に飛び出すと、集まった観衆から「頑張れー」などと歓声があがった。水行者は「よいしょー」「おっしゃー」などと威勢良く声をあげながら、大桶から手桶ですくった水を肩から浴びた。「ファイト」と声をかけられた水行者は、肩をすぼめ「今年は冷てえっす」。地区の北側にある熊野神社に「兔巾(ときん)」と呼ばれるわらで作った冠を奉納し、五穀豊穣、無病息災を願った。
30年以上、ほぼ毎年参加している最年長(59歳)の水行者、佐々木孝弘さんは「今年は雪があったので、足先が特に冷たい。感覚は全然ない」としながらも、「本厄の61歳までは続けたい」と話した。