軽井沢ナショナルトラスト 創立20周年式典を開催
軽井沢の歴史的建造物の保全に取り組む「軽井沢ナショナルトラスト」の創立20周年式典が29日、万平ホテルで行われ、会員をはじめとする約60名が参加した。
大久保保会長は20周年を迎えたことについて、「軽井沢の歴史・文化に造詣の深い方々の助力のおかげ」と述べた。軽井沢ゆかりの建築家、アントニン・レーモンドに師事した北澤興一さん(北澤建築設計事務所代表)は来賓挨拶で、「レーモンドから引き継いだ軽井沢の新スタジオには、絵画やスケッチなどの膨大な資料が残っている。軽井沢の文化を物語るものなので、この地で保存したい」と話した。
「軽井沢の価値」と題した講演を行ったエッセイストの玉村豊男さんは、「1983年から91年まで軽井沢で過ごした。現在暮らす東御市は坂が多く日差しも強いので、木陰の中を犬と散歩したことが懐かしい」と思い出を語り、「現在でも人口が増え続けている軽井沢は、特殊な歴史の上にありながら、新たに輝く時代がくるのではないか」と期待を寄せた。
同団体は1994年10月に「別荘建築等保存調査会」として発足。重要建築物の保存や、軽井沢の歴史や文化の周知活動に尽力してきた。