岩手県大槌町から大槌学園の生徒6人軽井沢へ 中学文化祭で支援の感謝伝える
軽井沢町が継続支援をしている東日本大震災の被災地岩手県大槌町の小中一貫校「大槌学園」の生徒が9月17日から軽井沢に滞在している。19日まで町内を観光したり、軽井沢中学校の文化祭に参加するなどして過ごす。
訪れているのは中学部9年生(中学3年に相当)の6人と引率教諭2人。17日は軽井沢町役場で藤巻進町長らと懇談した。「大人になっても大槌町で暮らしたいと思うか」と町長が質問を投げかけると、生徒は「都会より田舎の方が好き。離れることがあってもいずれは戻ってきたい」「小さい町なので職業が限られる。やりたい仕事がなかったら出て行くが、祭りのときなどは帰ってきたい」などと答えていた。
18日は軽井沢中学校文化祭「からまつ祭」で、震災の語り部として、大槌学園の岡本さくらさんと、小野寺観輪さんが発表。「被災地から伝えたいこと」をテーマに、今の大槌町の様子、学校生活の現状などを全校生徒の前で語った。町が抱える問題点について「新しい居住地でのコミュニティー形成が上手くできず苦しんでる人が多くいる」「『一戸建て再建の際に支援金がもらえなくなる』などの理由で、公営住宅の入居者が増えない」などを挙げた。
最後には「軽井沢の皆さんに沢山の支援を頂き、人と人の繋がることの大切さを改めて感じている。復興し強くなった大槌町を実際に見に来てほしい」と伝えた。発表を聞き、軽井沢中学3年の小宮山峻平君は「大槌町の人がどういう気持ちで、どのように過ごしているか、知ることができて良かった」と話した。