英米児童文学研究家の吉田新一さん、「ピーターラビットの世界」の講座
「ピーターラビットの世界」展を開催中の軽井沢絵本の森美術館で7月11日、同展を監修した英米児童文学研究家で、同館名誉館長の吉田新一さんの講座「えほんサロン」があった。同作のファンら35人が訪れた。吉田さんは展示の中で特集しているピーターラビットの絵本『グロースターの仕立て屋』を中心に、作品の楽しみ方、イギリス人の作者ビアトリクス・ポターの創作の工夫などについて話した。
『グロースターの仕立て屋』はイギリス・グロースターの町に住む仕立て屋で起こる不思議な出来事を描いた1902年発表の物語。擬人化されたネズミやネコが登場する。吉田さんは、ポターはこの本の商業版を出版する前に一度自費出版しているとし、その理由について「出版社に頼むと、作品の中に掲載しているわらべ歌をすべてカットされると思った」と説明。また「絵の細かいところに目を向けると『こういうことも書き込んであるんだ』と発見がある」と作品の味わい方についても話した。
同館は9月5日にも内容を変え「ピーターラビットの世界」をテーマにした吉田さんの講座を開く。参加費は2000円。定員30人で要予約。TEL0267-48-3340