軽井沢ニューアートミュージアムに白樺と苔のチャペルがオープン
軽井沢ニューアートミュージアムは5月1日、建築家の隈研吾さんと、フランスの現代芸術家、ジャン=ミッシェル・オトニエルさんの共同プロジェクト「風通る白樺と苔の森(チャペル)」のオープニングレセプションを行った。
チャペルは同美術館裏手の駐車場だった場所に建築し、新郎新婦のためのブライズルームが2部屋隣接する。オトニエル氏の高さ約3.5mのハート形のオブジェ「こころの門」をくぐり、チャペルへと向かう作り。乾燥させた白樺の幹が建物鉄骨の柱を覆い、スライディングウォールと天井はガラス張り、地面には苔が敷かれている。収容人数は63名。2014年7月にプロジェクトが始動し、10月に着工。2015年4月30日に竣工した。空間全体の設計を隈さんが担当し、庭部分は佐藤造園が手掛けた。
レセプションでは、隈研吾さんと、同氏の出身大学の後輩になる東京大学工学部建築学科卒業で女優の菊川怜さんがトークイベントを行った。隈さんは「自分が手がけた建築は全て我が子のように可愛い。このチャペルは一番末っ子」と話し、オトニエルさんとのコラボレーションについては、「彼の作品は5、6年前に南仏の美術館で鑑賞し、魅了された。今回一緒に仕事ができて楽しかった」としていた。菊川さんはチャペルについて、「自然に溶け込んでいるが、目に見えないパワーを感じ、不思議な存在感がある。建築の持つ力を表現している作品」と述べた。
今月9日には同チャペルでの初めての挙式があげられる。