人との共存考える 町が野生動物対策報告会を実施
軽井沢町は3月23日、「軽井沢町野生動物対策報告会」を町中央公民館で開いた。町内の野生動物に関する活動や現状を伝えることが目的で、町民約90人が参加した。
町からの委託を受けて活動するNPO法人「ピッキオ」とNPO法人「生物多様性研究所あーすわーむ」、軽井沢町猟友会、町のサル追い隊がそれぞれの取り組みを発表。外来種のアライグマやハクビシンの対策にあたる「あーすわーむ」の福江佑子さんは「複数の野生動物に対応できる柵といったように、より効果的な措置を考えていく必要がある」。ニホンザルの追い払いを行う有害鳥獣対策専門員の藤原秀さんは、「駆除や追い払いだけでは完全ではない。野鳥の餌は適量を置く、外から見える場所に食べ物を置かないなど、ひとりひとりの注意が必要」と呼びかけた。
質疑応答では様々な質問や要望が挙がり、長倉地区からの参加者は「自宅近くに仕掛けられた罠にかかったイノシシの鳴き声がうるさくて眠れないことが何度もあった。対策を講じてほしい」と意見を述べた。
町役場観光経済課の山浦農林係長は、「主に広報を通じて個別の活動を報告することはあるが、野生動物全般の対策を町民の方に直接伝える場を設けるのは初めて。自然豊かな軽井沢にとって野生動物との共存は避けられない問題なので、今後も続けていきたい」とした。