三笠ホテルロビーにあった油彩画、45年ぶりに元の場所へ
国の重要文化財・旧三笠ホテルが営業当時、ロビーの暖炉の上に展示していた絵画が2月20日、45年ぶりにホテルに戻った。1970年まで18年間、三笠ハウスという名称だった同ホテルの支配人を務めた山名伝兵衛から絵画を譲り受けた、山名の息子の義兄、原静夫さん(宮崎県宮崎市)が「元にあった場所に戻るのが一番いい」と、施設を所有する軽井沢町に寄贈した。
絵画は山名自身が購入したもので、台に横たわるキジや山鳥、壁に吊るしたカモなどを描いた100号の油彩画。木製の額縁には「KOUSUKE OKAMOTO」と作者のプレートが付いている。ホテルをよく訪れ、絵画を気に入っていた原さんが、営業をやめるのを機に、妹の義父である山名に頼んで譲ってもらっていた。
施設を管理する町教育委員会は、展示方法などを文化庁と協議し春以降、営業当時と同じ暖炉の上で絵画を公開する予定。20日、旧三笠ホテルに届いた絵画を見た教育委員会の職員は「写真では見ていましたが、実物は違う。力がある」と話していた。