自然との共存考える マレーシア人がピッキオを視察
マレーシア・ボルネオ島サバ州を拠点に行う国際協力機構(JICA)の技術協力プロジェクトに携わるマレーシア人8名が1月15日、研修の一環として軽井沢町を訪れ、クマ対策や調査を行うNPO法人ピッキオの活動を視察した。
研修名は「持続可能な自然資源管理のための環境教育技能向上」。地域住民の視点に立ち、合意形成を行いつつ、自然資源の管理を行う必要性や重要性を学ぶことを目的に来日した。
参加者は油井地区の農耕地に張り巡らされている野生動物よけの電気柵や、ピッキオが考案した野生動物対策ゴミ箱の設置されているゴミステーションなどをピッキオ職員の楠部真也さんと田中純平さんの説明とともに見学。その後はエコツーリズムやツキノワグマの保護管理事業などについての講義が行われた。参加者からの「住民がクマを目撃したときはどうするのか」という質問に、「24時間対応の連絡先があり、いつでも駆けつけられる体制になっている」と答えるなど、活発なやりとりがあった。研修員の一人で地方行政官のヴァイラスさんは、「マレーシアにはピッキオのようなユニークな活動をしている団体が無いので、とても勉強になる」と説明を熱心に聞いていた。
一行は1月31日まで日本に滞在し、16日まで軽井沢で研修を行った後は、東京とコウノトリの保全に取り組む兵庫県豊岡市を訪問する。