震災の犠牲者を生前の姿に戻すボランティア 復元納棺師が講演「身近な人を今日も大切に」

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 軽井沢中学校と同校PTAは5月26日、岩手県北上市の復元納棺師・笹原留似子さんの講演会を開いた。笹原さんは東日本大震災による津波などで犠牲になった300人以上の遺体を、生前の姿に復元するボランティアに取り組んだ。

 笹原さんは、ボランティアを始めるきっかけになった、岩手県陸前高田市の遺体安置所で体験したエピソードを紹介。「身元不明」の傷ついた少女のなきがらと対面し「直したいと思った」が、「私は家族の許可がなければ、遺体に触れることができない立場」と復元を断念。「自分はなんて無力なんだと、そのときの後悔があったから続けられた」と話した。

 笹原さんは岩手県大槌町に借りた空き家を、震災で大切な家族を亡くした子どもたちが集える場所として開放している。家族を急に失った人は「大切な人が、明日も生きている保証はないことに気づいた」と笹原さん。「大切な人を、今日も大事にできているかもう一度考えてほしい」と生徒らに呼びかけた。

 この日の講演は全校生徒や保護者ら約500人が参加。同中学3年の関原ひなたさんは「大切な人が生きていることに感謝して、一日一日を過ごしていきたいと思った」と話していた。

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