「被災地のことを忘れない」岩手県大槌町を訪問した小学生7人が報告
東日本大震災被災地の岩手県大槌町を訪れた軽井沢町の小学生7人による報告会が12月24日、軽井沢町中央公民館であった。児童は現地で感じたことや、これからの支援について語り、参加した約70人が耳を傾けた。
大槌町を訪れたのは、町内3小学校の正副児童会長でいずれも6年生。軽井沢町社会福祉協議会の「復興支援バスツアー」に同行し11月26日から28日まで、大槌小学校や中学校の仮設校舎を訪問し、大槌町社協職員らの案内で商店街なども回った。
大槌小では、現地の児童と給食を食べ、避難訓練に一緒に参加した。軽井沢東部小の森木彩夏さんは、震災当日のことを思い出してしまうため、避難訓練は必ず事前に告知してから行っていると紹介。休み時間中に行われた訓練は「それまでふざけ合っていたのが一変。みんなが真剣な表情に切り替わったのに驚いた」。
中部小の原田舞子さんは、大槌町社協職員に「できる支援は何か」と尋ねると「大槌のことを忘れないでほしい」と話していたことに触れ、「大槌のことを忘れず日々を過ごし、支援活動にも参加したい」。
西部小の水沢匠君は、現地の人たちとのふれあいの中で感じたことを発表。「みんな元気に明るく接してくれたが、始めから強かったわけではなく、震災と真っ正面から向き合ったからこそ今の姿があると思う」。
また、東部小の古屋野伶勇君は、売り上げに応じた額が岩手、宮城、福島の被災した学校の支援に使われる「ウェブベルマーク」のサイトを紹介。「僕ができる支援は、このサイトを知らない人に伝えて行くこと」と話した。
震災直後から、軽井沢町社会福祉協議会が岩手県大槌町にボランティアバスパックを派遣している縁で、軽井沢町は2013年5月、大槌町を継続的に支援していくことを表明。軽井沢中と3小学校の生徒会、児童会の正副会長が集まって10月23日、各校が連携し大槌町に向けてできることについて話し合った。「まずは現地に行き、自分たちにどんな支援ができるか考えたい」との声が多く上がり、町が費用を負担し今回の訪問が実現。中学生は試験と重なったため、小学生だけが参加した。
小学生の報告を聞いた軽井沢中学校の次期生徒会長で2年生の由井渓友君は「(換金して支援金にする)アルミ缶などの資源回収の呼びかけに、より一層力を入れたい。機会があれば、僕らも大槌町を訪れたい」と話していた。