クマやサル対策の現状を報告 「野生動物への餌付けはしないで」
軽井沢町は12月8日、野生動物対策の取り組みや成果を伝える報告会を町中央公民館で開いた。町民ら約50人が参加。野生動物の対応にあたる関係機関が近年の傾向や対策の現状を報告した。
ニホンザルの対策にあたる町環境課の職員によると、町内には20頭の群れが生息し、千ヶ滝、鶴溜などの別荘地を中心に行動。「何年経っても同じところにいる状態が続いているが、住宅地や農地には行っていないので一定の成果はある」とした。
外来種のアライグマ、ハクビシンなどの捕獲・駆除にあたるNPO法人生物多様性研究所あーすわーむのスタッフは、アライグマが屋根裏に住み着いて家屋に被害を及ぼしている様子を写真とともに報告。外来種は早期対策が最も重要とし、「自分が住んでいる場所にもともとどんな生き物がいるか知っておくことが、外来種の早期発見につながる」と話した。
町の委託でツキノワグマを保護・管理するNPO法人ピッキオのスタッフは、夏に杉瓜地区で捕獲・駆除した個体について「個人の故意の餌付けによって、人家に入ろうとするなど、行動がエスカレートしていた」と説明。「全ての野生動物に言えることだが、故意でも無意識でも餌付けをしないようにしてほしい」と呼びかけた。