フィリピンで医療奉仕活動 参加の歯科医や高校生ら報告
ハローアルソン・フィリピン医療を支える会(事務局・御代田町林歯科診療所)は3月23日、フィリピン・マニラ市内や周辺の貧困地域で2月に実施した医療奉仕活動の報告会を開いた。活動に参加した歯科医や中高生らが現地で見聞きしたこと、感じたことについて語った。
活動は2001年より続けて18回目。全国の歯科医師や歯科衛生士などのほか、中高校生36人を含む計101人が参加した。2月7日から10日まで滞在し、現地の人に歯の抜歯や保存、クリーニング、入れ歯製作など計1539人を治療。中高生は会場の案内や患者のサポート、日本で集めた歯ブラシを届け、紙芝居を通じ歯磨きの仕方を伝えるなど活動した。
「命を救うため、歯を抜いた」
この日の報告によると、フィリピンの歯科治療は高額で、日本では1万円以内の治療が、20万円以上かかることもあるという。治療を受けられず、虫歯から細菌が全身に回り、命を落とす子どもも少なくない。参加10回目という歯科医の羽尾博嗣さんは「私たちを逃すともう2度と治療してもらえるチャンスがない。心を鬼にし、命を救うために歯を抜いた」。活動に参加した新島学園高校(群馬県安中市)の生徒は、フィリピンの人たちの笑顔が印象に残っていると報告。抜歯直後で痛みが残っている中でも「最高の笑顔で『サンキュー』を私たちに伝えてくれた」と話した。
参加した高校生が一人ずつ登壇し、活動時の思いなどを語った。