元ヤングケアラー語る 「大人が気付き、孤立させない社会を」

 7月29日、軽井沢大賀ホールで開かれた音楽家マキ・奈尾美さんのコンサートで、御代田町のケアマネージャー美齊津康弘さんが、10代の頃の母の介護経験をもとに、ヤングケアラーに必要な支援などについて語った。美齊津さんは仕事を通じてマキさんと知り合い、昨年ヤングケアラーとして苦しむ子どもに向け作った曲の歌唱をマキさんに依頼しCDも制作した。

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厚労相も務めた元NHKアナウンサー小宮山洋子さん(左)が聞き手となり、美齊津さん(右)が語った。

 美齊津さんが小学5年生のとき、母が若年性の認知症を発症。徘徊する母の探索や排せつの世話などの介護は高校1年まで続いた。日々変わっていく母の姿を見る以上に「自分の悩みや悲しみを誰にも相談できず、孤立してしまったのが一番辛かった」。

 美齊津さんによると、ヤングケアラーは「一見しっかりした家族思いの優等生に見えるが、心の中は不安が渦巻き、自己肯定感の低いことが多い」という。「『もしかしたら』と思ったら、ちょっと声をかけてあげるだけでもいい。子どもを孤立させない社会をつくっていけたら」と話した。

 コンサートは世界平和への思いを届けようと開催し今回4回目。マキさんは、ウクライナ語で現地の子守唄などを歌唱。美齊津さん作詞作曲の「レジリエンス」も、オカリナ奏者のホンヤミカコさんとともに、弾き語った。

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ピアノを弾き語るマキさんと、オカリナ奏者のホンヤさん。

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