食を通じて鹿の現状と課題を伝える 鹿肉会席を開催
令和3年度に軽井沢町で捕獲されたニホンジカは756頭。「大量に廃棄される鹿の命を循環させたい」と鹿肉の利活用に取り組む軽井沢鹿工房の菊地哲也さんの活動を伝えようと、4月2日に「鹿肉会席〜ジビエをもっと"エシカル"に〜」(主催:軽井沢トラベル&コンサルティング)がくつかけステイ中軽井沢で開催された。このイベントは持続可能な地域の食文化発展をテーマとして定期開催されているシリーズ「テロワール会席」の一環で、この日は御代田町や佐久市で捕獲した鹿肉を使った会席料理が提供され、菊地さんから鹿の現状や課題が報告された。
猟師歴10年の菊地さんは「近年は鹿の頭数が増え、森の奥では鹿が低木や下草を食べ尽くし、自然が破壊されている。鹿やイノシシの利活用は環境問題や持続可能な社会のあり方を考える上で重要」と説明。
菊地さんによれば、近年は狩猟ブームや移住ブームの影響もあり、ゲーム感覚で捕獲を行う人が増え、中には命を軽視しているかのような動画を投稿して楽しんでいる人もいるという。「野生動物の命に真剣に向き合って欲しい」と話した。
食事の前に鹿の現状や課題についてレクチャーする菊地哲也さん。長野県認定管理捕獲技術者でもある。