約150羽のイワツバメ、 中部小学校で集団営巣 理科の授業でも活用
(写真:壁と天井の間にどんぶり型の巣を作るイワツバメ。)
軽井沢中部小学校のピロティの軒下で、イワツバメが30個ほどの巣を作り、朝方は150羽ほどの個体が校庭を飛び交っている。4月に同校へ赴任した、佐久教育会動物委員長で理科教科担任の中山厚志教諭は「これだけの巣がかたまってあるのは珍しい。軽井沢では最大の営巣地ではないか」と話している。
イワツバメはツバメと違い、のど部分が白いのが特徴。他の巣と距離を取って皿型の巣を作るツバメに対し、密接してどんぶり型の巣を作り集団で営巣する。南側が開けた高架橋など、吹き放しの場所に巣を作ることが多いという。冬になると、東南アジアなどへ渡るが、九州や四国で越冬する個体もある。
ピロティ南側には開けた芝生の校庭があり、巣作りに必要な粘土がたくさんある。校舎の壁が土のつきやすい素材で、鳥がいなくなる秋〜冬も巣をそのまま残していたことなど、「イワツバメにとって好条件が揃っている。巣から落ちる糞を、用務員の先生が定期的に片付けてくれるのもありがたい」と中山教諭。
4〜6年生の理科の授業では、双眼鏡を使ったイワツバメの観察も行っている。教材が近くにあることを喜んでいる中山教諭だが、巣の形の関係で、「普通のツバメと違って、子育ての様子が見えにくいのが残念」だという。