来秋オープン予定 日本唯一のフジタ作品の美術館

2104_topics_hujita.JPG 美術館の建築模型を前に笑顔を見せる安東夫妻。
 フランスで活躍した日本人画家レオナール・フジタの作品だけを集めた「軽井沢安東美術館」が2022年9月に開館する。軽井沢にも拠点を持つ安東泰志さん夫妻が15年に亘り収集してきたフジタの作品を展示・公開する個人美術館。建設地は大賀ホール近くの一画で、地上2階建て、展示室のほか、フジタのアトリエを模したスペース、レストランやカフェ、ミュージアムショップを併設する。安東さん夫妻にとっては、コレクションを始めるきっかけとなった最初の作品と出合ったのが軽井沢だったこともあり、この町での美術館創設を目指すことになった。「フジタが晩年にアトリエ兼住居を構えたパリ郊外ヴィリエ・ル・バルクと軽井沢は、自然が豊かで、都会の喧騒を離れた心休まる雰囲気が重なります」と安東さんは話す。

 レオナール・フジタは100年以上前に日本からパリに渡り、エーコル・ド・パリの代表的作家として成功した。日本でも作品が展示されているが、フジタだけを集めた美術館は初めて。「フジタの人生は愚かな人類の争いに巻き込まれて波乱に満ちたものになりましたが、そんな彼が晩年に到達した心境の中で描いた無垢な少女や猫の作品も展示します。フジタの生きざまと美しい作品が、見る方にとっての道標や希望になってくれれば嬉しいです」と安東さん。

関連記事