佐久の円満寺供養碑前で追悼会

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キャンベル夫妻殺害事件
ノンフィクション作家、宮原安春さんの著書「軽井沢物語」によると、夫妻を襲撃した犯人は砲兵軍曹の男で1916年9月、神奈川県に潜伏していたところを、長野県警により逮捕されている。男は盗み目的でキャンベル宅に侵入したと自供。室内を物色している最中に、起きてきたキャンベル宣教師と夫人を刺し、階下にいたコックを脅迫し16円を奪って逃走したという。
 1916(大正5)年、軽井沢の別荘滞在中、強盗に襲撃され亡くなった宣教師のキャンベル夫妻の追悼会が、命日である7月16日、佐久市の円満寺で行われた。「大事件が忘れ去られている」と、軽井沢町や佐久市の有志の呼びかけにより初めて実施し、23人が参列した。

 同寺北側にある夫妻の追悼碑前で、日本キリスト教団岩村田教会の宇田真牧師が、キャンベル宣教師の経歴や事件の概略について話し、参列者で聖歌を歌い祈りを捧げた。

 宇田牧師は「キャンベル宣教師33歳、夫人32歳。日本で2年間の語学研修を終え、いよいよ本格的に伝道に取り組もうとしていた矢先の事件。誠に残念」と哀悼。

 追悼碑は、正面に「故キャンベル夫妻追悼供養碑」、側面には建立日である大正5年10月31日と記されている。ただ、なぜ円満寺に建立されたか、誰がその費用を工面したかはわかっていない。宇田牧師は「この地にキャンベル宣教師夫妻を慕う人が多くいたことは確か。真実を知るための手がかりがほしい」と話していた。

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