議会ウォッチャーの3月メモ

 3月会議は2月27日に再開され、3月11日から14日にかけて予算決算常任委員会が開かれたのち、25年度予算ほかの議案が18日に議決される予定で審議が進められている。2月27日の本会議後に開催された全員協議会では、DX推進計画や庁舎改築周辺整備事業基本計画(案)、軽井沢オープンドアスクール(仮称)設置準備会議などの説明が行われた。また、庁舎改築周辺整備事業基本計画(案)については、2月28日と3月1日に住民説明会が開かれた。

 今回の会議では町側から町営駐車場条例の一部改正案も提案された。一見合理的にも思えるが、その内容を精査すると疑問が残る。主な改正点は「30日を超えて引き続き駐車しないこと」を条文に加えること、回数券の料金を現行の倍以上に引き上げること、駐車券を紛失した際の支払い額を1万円とすることなどである。これらの改正は、現状の「連続して30日間以上駐車しないこと」としている条文と変わらず、30日までは連続駐車が可能であると認めることにもなり得る。また、回数券の発行趣旨は、本来通勤・通学・通院の利用者向けの割引制度であったはずだが、料金引き上げによって中軽井沢駅や信濃追分駅を拠点とするパーク&レールライドの利用動機を損なう懸念がある。さらに、回数券の利用は1枚につき24時間まで(未満)とされているが、使用枚数に制限がないため、24時間を超える長時間駐車が事実上割引対象となり得る点も見過ごせない。また、仮に30日間連続で駐車した場合でも、駐車券を紛失すれば1万円の支払いで済んでしまう。この規定で新たな問題は生じないのか、連続駐車への抑止効果は十分か。慎重な検討が求められる。条例改正が町民等の駐車場利用に与える影響や、10日に開かれる総務常任委員会および議会での議論の行方を注視したい。

 25年度の当初予算は前年度比9・8%増で、約27億円増となる。主な投資的経費として、西部小校舎建築工事に約7億円、DX推進の一環として情報システム機器の更新に約4億円、旧三笠ホテル防災工事に約3億円、町道舗装整備に約2億円が計上された。これに加え、軽井沢病院事業会計への繰出金が約13億円、国民健康保険や介護保険、後期高齢者医療制度への繰出金・負担金が計約8億円となっており、いずれも行政サービス維持のために必要不可欠な歳出ではある。社会インフラの老朽化対策、デジタル化推進、高齢化に伴う医療・福祉の充実は避けて通れない。

 一方、総務省公表の全国消費者物価指数(総合)によれば、20年を100とした場合、25年1月の指数は111・2と算出され、物価上昇が続いている。こうした状況下での予算増額はやむを得ない面もあるが、財源確保と町民の生活負担のバランスをどのように取るのかが今後も課題となるだろう。(文・赤井信夫)

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