議会ウォッチャーの2月メモ
1月10日の本会議で町が提出した矢ヶ崎公園駐車場の拡張事業案が議論を呼び、24日の説明会には約50人が参加した。町長は冒頭で担当課の説明が拙速だったと訂正・陳謝し、拡張ありきではなく、丁寧な意見交換を重視する方針を強調。参加者からは、公園の木を伐採するのではなく、パーク&バスライド推進や駅北口西側駐車場の立体化を検討すべきだとの意見が多く出た。
昨年12月の一般質問でも駐車場問題が取り上げられ、町は旧軽井沢エリアへのシャトルバス運行を検討するとした。一方、パーク&バスライドの再実施は困難と回答。シャトルバスの24年度予算は300万円で、次年度も運行可能と思われるが、パーク&バスライドは車両費を含めると初年度5千万円超の費用が推定され、大駐車場の確保・人員配置や恒常的に発生する維持費の問題もあり厳しいだろう。
町循環バスの予算は19年度5千500万円、23年度8千万円台(うち車両更新費2千万円)、24年度9千万円と増加傾向にあり、財政負担が課題となっている。加えて、AIデマンド交通の本格導入は26年度以降と見込まれ、短期的な解決策とはならない。
町営駐車場の料金見直しについては、「駐車券紛失時は3千円」という決まりの引き上げを求める意見があり、筆者は抑止効果を考えると3万円への引き上げも検討すべきではないかと考える。
同様に「連続30日以上の駐車禁止」を、例えば3日間までとするなど、大幅な短縮が検討されるべきではないか。駅周辺の駐車場料金の相場を考慮し、長時間利用者を民間駐車場へ誘導する料金体系や制度に改定すべきだ。また、回数券の利用条件の見直しも議論が求められる。そもそも、通勤・通学・通院に対しての回数券である以上、24時間を超える使用を認める現行制度には課題があると指摘したい。
駅北口西側駐車場の立体化も検討する必要がある。一般論として、自走式立体駐車場の建設には1台当たり100万〜350万円のコストがかかり、工期は3カ月程度とされる。仮に50台分を立体化する場合、建設費は5千万円〜1億7500万円と算出される。工事期間中は駐車台数が一時的に減るが、工期を分けて対応することで影響を抑えられる。初期投資は大きいが、完成後の収益向上が期待される。
結局のところ、駅近駐車の需要を考えると、住民福祉と観光政策を両立させるには、駐車場の料金設定や制度設計の工夫が最も効果的な施策となるのではないか。町の3施策を見極める必要があるが、特に料金の適正化については、思い切った改定措置が求められる。(文・赤井信夫)