静養にきた別荘住民ら困惑 隣地にキャンプ場計画!?真相は
この夏、町内の別荘地で、複数の住宅の壁面や木の幹など10カ所以上に「キャンプ場等の開発に断固反対!!隣接住民一同」と書かれた張り紙が掲出された。住民に聞くと、隣接地でトレーラー(牽引式のキャンピングカー)によるキャンプ場オープンの計画がSNSで発表され、水道と電気の工事が終わり、屋外にシンクが置かれているという。計画を知るきっかけになったのは、町内で事業を営む企業によるSNSの投稿だった(すでに削除されている)。
別荘地の空き地に向けて掲げられた、キャンプ場開発反対の張り紙。
該当する土地は第一種低層住居専用地域にある、約1000坪の長方形の空き地。北は国有林に面し、三方は定住者、別荘利用者の住宅が囲んでいる。同用途地域では原則、ホテルや旅館、キャンプ場など宿泊施設の営業許可が下りることはないが、周辺住民は「静けさを求めて軽井沢に来ているのに、不特定多数の人が出入りして騒がれたら落ち着かない。火の不始末も心配」と、不安を募らせていた。
この地区の区長は13日、区内でキャンプ場計画があり反対運動が起きていることを、「区長報」として区民に配布。当該地を所有する企業の関連施設にも、メール添付で送った。すると、すぐに施設の関係者から電話があり「もともとキャンプ場にする計画はない。事情を説明させてほしい」と連絡が入った。
20日に開かれた説明会には、周辺住民ら15人が出席。海外にいるオーナーに代わり説明した社員によると、当該地はオーナーが事務所兼自宅を建てるつもりで、個人的に取得したものだという。
では、なぜキャンプ場計画の話が広まったのか―。説明を聞くと、SNSに投稿したトレーラーによる宿泊事業は、県外で行う計画だという。屋外設置のシンクは、予定より早めに納車されるトレーラーを一時的に当該地に置き、オーナー自身がそこで寝泊まりするときに使う予定だった。今回の反対運動を受け、一時的にトレーラーを置く計画も取り止めるとし、社員は説明不足により心配をかけたことについて陳謝した。
周辺住民は「隣りにキャンプ場と聞き拒否反応を起こすのは当然。計画がないと聞きひとまずほっとした」。一方で「オーナー本人から直接、土地をどう利用するか聞くまでは安心できない」と不安が拭いきれない人もいた。