【軽井沢新聞6月号】議会ウォッチャーの6月メモ

 6月会議初日の6日、町は「軽井沢町DX推進宣言(案)」を上程した。行政サービス・行政運営・データ利活用における、DX推進に取り組む今後5年間の計画を説明。進捗は庁舎移転計画にも大きく関わる。宣言は20日に議決されれば同日表明の見込みだ。

 奇しくも6日は、タブレット議会の開始日と重なった。議会が導入したペーパーレス会議システムだが、9月までは紙書類と併用、12月には紙を廃止するとしている。議会側はⅰPad、町側はSurface(通常執務に使用)に共通のシステムを入れて使用。

 補正は、財政調整基金から1億円強を繰入、歳出は旧三笠ホテル関係工事費約4千万円増、感染症対策約3千万円(一般財源)の他に、旧軽井沢駐車場平面化工事約2億6千万円などが審議されている。重要文化財保全工事は開けて見なければわからない点も多くあり、費用増はその特殊性による宿命ともいえる。

 5月23日、しなの鉄道は来年度中に全駅で「Suica導入の方針を固めた」との報道があった。便利になるというが、導入費用約16億円は同社負担のほか、沿線11市町・県・国の補助金などを見込んでいるという。同社に対する町負担金推移(19年度から23年度)を見ると、8百万円から倍の1千6百万円へ、その後4千万円超に及んでおり、これに加えて新たな負担増を求められると考えられる。

 全国交通系ICカード決済システムを16年に導入した熊本県交通5社では、高額になる24年度末の更新を取りやめ、費用が約半分のクレジットカードとQRコード決済に切り替える。また、首都圏ほか各地交通各社では、導入費用が低く世界600か国で導入され、世界標準ともいえる「タッチ決済」の導入が進められている。地域交通を護っていくことはたいせつだが、町民負担が闇雲に増えることがないよう、こうした動向や背景を充分に調査・検討する必要がある。(文・赤井信夫)

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