わが軽井沢への想い ⑤交通インフラ

 国際的なリゾート地、軽井沢でもいずれ老眼が進んだり、反射神経が鈍くなったり、物忘れになったりするとマイカーを運転できず、近くのスーパーやコンビニへの買い物やごみ捨てなどができなくなってしまう。

 そこで、頼りはバスだが、美術館観光巡回バスは数年前に廃止され、7時~18時台の町内循環バスのほか、65歳以上で、かつ3年以上居住する町民のみ配布の「すこやかお出かけ利用券(年間5000円分)」がある。一昨年から乗合タクシー「よぶのる軽井沢」を運行し、昨年はJR東日本、西武ホールディングス、町が合同で閑散期に4台を稼働。住民や観光客に好評だったようだ が、今年3月に終了した。

 その点、スイスはどのような山間部でも未明から深夜にかけ、ポストバス(路線バス)や登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイが四季を通じて運行されているため、不自由さがない。たとえばマッターホルンを望む標高1620メートル、人口約5800人のツェルマットではこれらの交通機関が厳冬期でも四六時中、運行しているため、四季を問わず、世界中から訪れる観光客やハイカー、スキーヤーでにぎわっている。また、一人3450円の年会費を納めればNPOスイス航空救助隊「REGA」のドクターヘリがどのような山間部での急病や遭難でも15分で近くの総合病院に無料で救急搬送してくれる。国外では無料のジェット機がこれに代わる。

 わが軽井沢も草軽電気(軽便)鉄道の復活など官民一体となってスイス並みのインフラの整備に努め、車社会から人間社会へと脱皮したいものである。

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インフラが整備され、限界集落のないスイス。(後方はマッターホルン。ゴルナグラートにて)

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