【軽井沢新聞3月号】議会ウォッチャーの3月メモ
軽井沢町議会を傍聴するいち住民のレポートです。
定例会3月会議が2月29日に再開され、同日午後に全員協議会が行われた。4日の代表質問・一般質問に続き、11日までの総務・社会等の各委員会、12日から15日までの予算委員会を経て、19日本会議にて新年度予算が議決される。(いずれも傍聴可能だが、ライブ配信は本会議のみ)
初日に町長より、就任後1年の施策進捗報告と新年度へ向けた施政方針の説明があった。(詳細は町HP参照)代表質問も同様の内容であったが、特段踏み込んだ質問や答弁は見られなかった。
議案27件には、補正予算6件・新年度予算(一般会計・特別会計4件・企業会計3件)が含まれる。総額約273億円で、一般会計予算172億円(前年比17億円・11%増)のうち、西部小教室工事6億円、旧三笠ホテル整備工事9億円、病院事業への繰出金(補助費)7億6千万円などが大きい。DX推進業務経費予算は7百万円と大きくないが、例えばホームページ構築作業委託など、仕様による適正価額がわかりにくいものが目に付く。同様にデジタル化やシステムの更新・構築などは必要かつ重要なものとはいえ、町民や議員にわかりやすい形で示されないと、評価が困難ではないだろうか。その点においても、懸案のCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)補佐官採用は急務であると感じる。また、特別会計では、駐車場改修に2億8千万円、介護保険が前年比6千万円増・後期高齢者医療が同8千万円増。企業会計では、病院事業が前年比1億2千万円増と、保険・医療関係の増額が目立った。
全協では、中間支援組織について説明があり、年内は広く話し合いを進め、来年1月からスタートさせるという。公共工事への週休2日制実施、過年度未評価家屋処理の現況報告(詳細割愛)、タクシー供給強化に関する連携協定、下水道使用料の一律15%引き上げ、追分宿津軽屋保存修理事業について(隣地との課題)などの説明があった。また、議会内のみの協議として、各委員会におけるペーパーレス化と議会予算および新年度予算審査の進め方などが主な協議内容であった。
議会は6月会議からペーパーレス会議システムを導入する。9月までは紙と併用し、12月から完全ペーパーレス化の計画だが、町側との調整もあることから延期される可能性もある。また、紙製の議会誌発行の廃止やLINE配信の強化などを19日の全協にて決定する予定。なお、同システムの導入により紙が減量されても、経費削減効果は大きくない。環境負荷低減への効果はある程度期待できるだろう。しかし、目的はあくまでも業務の効率化や深掘りする調査力・迅速力を向上させることなので、早く慣れて使いこなしていくことこそが重要になる。
前回に引き続き、議会のインターネットによるライブ配信を視聴した。画像・音声ともに良好であり、機械による文字起こしは精度に課題はあるが、ろう者や難聴者にも十分に役立つ機能は評価できる。一方、録画配信には字幕がなく、今議会で「手話言語条例」を制定する予定の中、片手落ちではないかと感じる。前号で議会会議録検索システムの改善(全協を含む公開範囲の拡大や公開されるまでの時間短縮についての改善)を求めたが、インターネットによるライブ配信(または録画配信)についても、委員会を含む公開範囲の拡大や録画配信への字幕追加を求めたい。