【お店の履歴書】本通りでクレープを焼き続けて約50年「BRONCO」
東雲交差点の前にはクレープの文字。軽食とクレープを提供するブロンコが開店したのは48年前だ。オーナーの荻野忠男さんは、もともと向かいにあった喫茶店で働いていたという。「コーヒーは創業時からミカド珈琲。サイホンで淹れてるよ」と荻野さん。
コーヒーだけでなくクレープ生地にもこだわりがあり、試行錯誤をして現在の配合になった。焼いて作り置きをすることはせず、常に注文を受けてから焼くのも創業時から変えていない。ポテトサラダやあんこを使ったものなど60以上あったメニューから厳選されて、今は約50種類のメニューが残っている。ラムレーズンやカスタードなど昔ながらのシンプルなメニューも健在。注文も「トッピング形式に変えたら『チョコバナナにカスタードをトッピングして』とか、分かりやすいからね」。外国人客が多かった時期にはメニューに「No1」などを記載し、指差して注文しやすくした。
バブルの頃は街も店も今より賑わっていたと話す荻野さん。「昔はコンビニがないからいろんな人が気軽に食べに来てくれたよ。近くでバイトしている子たちが仕事終わりに店に来て『どこでバイトしてる?』とか話しながら仲良くなってるのを見ていたね」と目を細める。別荘だけでなく高崎や上田からも多くの常連客が集う。「別荘のある政界の人が代替わりしても来てくれるのも嬉しいね。年齢もあって疲れることもあるけど、辞めないでって言われるから頑張るよ」
軽井沢町軽井沢東23-12 TEL0267-42-6226
本通りに面した入口の横にはテイクアウト用の小窓。中では荻野さんがクレープを焼く。
カウンター席の目の前に並ぶサイホン。昔から変わらない店内には古いゲームの筐体もある。