絵本作家 accototo(アッコトト) ふくだとしお さん あきこ さん

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 1971年大阪府生まれのとしおさんと、78年兵庫県生まれのあきこさん夫妻による絵本ユニット「accototo」。これまでに発表した絵本は約60冊に上る。可愛らしい様々な動物が登場するデビュー作『うしろにいるのだあれ』(2003年)は、皇太子ご夫妻の長女・愛子さまのお気に入り絵本としても話題になった。英語や仏語、アジア各国の言葉に翻訳され、シリーズ化されている。
 二人の出会いはフランス・パリの語学学校。としおさんは絵画、あきこさんは美術全般を学ぶため留学中だった。あきこさんの誕生日に、としおさんが初めて絵本を作りプレゼント。「読み手のことを思って描く感覚に面白さを感じました」と、これが絵本制作の出発点になった。
 フランスから帰国後は、絵本の原案をもって出版社を訪ね歩くかたわら、個展を開いて二人で絵を売ったり、絵画教室などで生計を立てた。
 共同で絵本を作るようになったのは、作品に使う色を、としおさんがリクエストしたことがきっかけだった。
 「できてきた色が、とても僕には出せないものだったんですね。そこから色づくりは妻の担当になりました」
 今はテーマ選びから、ストーリー作り、作画まで、二人の共同作業で一から作り上げる。意見が分かれたら、読み手の視点でとことん話し合い、それでもまとまらないときは第三者に意見を求める。9歳の長女は、最も身近なアドバイザーだ。
 「割と辛口なんです。『ここ、わかりにくい』とか、『違うキャラクターになっている』とかダメだししてくれます」  作品のテーマは、子どもとの会話など、日常から拾ってくることが多い。
 「楽しいまま終わる作品も良いけど、読み手の中にちょっとした種を残せるものを作りたいですね」
 仕事で行き来することが多い東京から近く、自然の中で子育てできる場所を探していると、軽井沢に辿り着いた。2011年に新居を構え、大阪から移住。二人の娘、愛犬ミルクと暮らす。としおさんの憧れだったツリーハウスの秘密基地を昨年、自宅の敷地に自ら完成させた。
 動物の仲間たちが力を合わせ、毎回一つのものを作り上げる絵本、カバの「ポポくん」シリーズ。新緑の季節に発売予定の6作目は、「秘密基地」を作る。どんな基地ができあがるのだろう。

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