【軽井沢新聞4月号】緑と景観を守れるか⁉ 「環境タウン 軽井沢の危機(1)」
環境と景観を守る宣言、実現は...
近年増加する開発行為により軽井沢の景観が変わり続けている。こうした現状に、「軽井沢の魅力が失われかねない」と危機感を示した土屋三千夫町長は、3月18日に「軽井沢町の自然環境と景観を守る宣言」を行った。宣言を実現するためのロードマップを掲げ、次の4つの項目について具体策を示している。
①「軽井沢町の自然保護対策要綱」の見直し
②「軽井沢町の自然保護のための土地利用行為の手続等に関する条例」による規制強化
③「特別用途地区等の制定」
④「用途地域等の見直し」
自然保護対策要綱は自然環境や景観を守るために昭和47年に制定された。しかしマンション建設や民泊、ホテルコンドミニアムなど50年前には想定できなかった事象が発生していることから、より厳しい基準を積極的に検討したいと昨年7月に同要綱の改正検討部会が発足し、町が提案した改正案について協議を続けてきた。
3月24日の自然保護審議会で18項目について委員の賛同が得られたことから、パブリックコメントを実施中(〜5/1)で、住民説明会は4月15・19日に行われる。8月に告知し、周知期間を経て施行される予定だ。
大型施設に厳しい基準へ
改正案ではマンション・分譲ホテルなど大規模建設を念頭においた項目が目立つ。左表の①、②、③はマンション建設への規制を厳しくする内容となっている。④は近年増加するホテルコンドミニアムを踏まえた内容。マンションは1棟当たりの総数が19戸以内に制限されているが、ホテルには客室数の制限はない。分譲ホテルとして建てたものが、マンションに変更される可能性があることを考慮した改正案となった。
また⑥は民泊や貸別荘など、管理者のいない宿泊施設で騒音などが問題になっていることを防ぐ目的もあると思われる。
一方、敷地内の樹木については⑦⑧のように、町が災害を懸念し古木・老木の「世代更新」として植え替えを促す姿勢が見える。これについては様々な意見があり、一部が継続審議となった。(文・広川美愛)