【軽井沢新聞2月号】軽井沢駅周辺の駐車場問題 矢ケ崎公園駐車場の拡張は事実上の白紙に
軽井沢駅周辺の駐車場混雑解消のため、軽井沢町は町営の新軽井沢駐車場(大賀ホール向かい側)のレイアウトを変更し、51台分を増設することを決めた。また町内全域の町営駐車場の料金を見直す案を3月議会に諮る予定だ。
近年、軽井沢駅周辺の町営駐車場では、東京圏への通勤者や町内在勤者らの車で、閑散期でも午前中の早い時間帯に満車になるケースが続いている。駐車場不足の苦情が寄せられたこともあり、町は駐車場の増設を検討してきた。
矢ヶ崎公園の既存駐車場と新軽井沢会館の間の緑地。
1月10日の議会で、町は大賀ホール向かいの駐車場のレイアウト変更に加え、矢ケ崎公園内の駐車場を拡張し、約60台を増設する計画を示した。地域整備課長は、拡張を計画しているのは既存駐車場と新軽井沢会館の間の木立のスペースと説明。道路沿いを除き全ての木を伐採してアスファルトの駐車場スペースを増設するとし、「なんとしても駐車場を早期に増設したいという思いで進める」と話した。測量設計費を計上した補正予算は賛成多数で可決された。
3つの施策で混雑緩和を目指す
これを受けて、住民の間やSNS上では大きな話題となり、多くの関心を集めていた。1月24日に住民説明会が開かれると、新軽井沢区以外の町民も含め約50人が参加。会の冒頭で土屋三千夫町長は、1月10日議会での「通り沿いを除き全ての木を伐採して、できるだけ早く工事する」という担当課の説明を「拙速だった」と訂正し陳謝した。
その上で、①大賀ホール向かい側の駐車場のレイアウト変更、②全ての町営駐車場の料金見直し、③駐車場の空車・満車情報の発信の3つの施策で、混雑緩和を目指すとした。
町からの提案を受けて、矢ケ崎公園駐車場の拡張を議論してきた新軽井沢エリアデザイン会議は町側に譲歩した経緯を説明し、駐車場の拡張を積極的に推進する立場にはないことを強調。参加者からは「緑を残してほしい」「林間部分に手を加えないでほしい」という駐車場拡張案に反対する声が大半だった。町長は軽井沢新聞の取材に対し、矢ケ崎公園の駐車場拡張については「今は(選択肢として)予定には入れていない」と回答した。
駅周辺の駐車場問題は、長期間にわたる駐車や民間に比べ割安な料金なども混雑の要因とされている。加えて駅東側の大型駐車場が閉鎖されたことも影響している。町によれば、現在建築中の施設は100台分の駐車場を併設する予定だという。