【軽井沢新聞9月号】総合診療科の維持に向け医師確保を調整中 軽井沢病院
土屋町長は9月4日の定例会見で、町立国保軽井沢病院の医師の診療態勢について説明した。
総合診療科の常勤医3名が、10月から今年度末にかけて定年などの理由で退職する予定であることも明かした。同科の常勤医はゼロとなるが、このうち2名に、引き続き非常勤等で勤務を依頼しているという。町は近隣病院や大学病院に医師の派遣を依頼したり、長野県のドクターバンクに登録している。「医師の採用サービス(ヘッドハンティング)の専門業者の活用に向け準備中。あらゆる可能性を探り、内科系の常勤医の確保に全力を注いでいる」と対策を説明した。
病院の医療体制について、土屋町長は信大東大との連携による寄附講座終了の影響について「寄附講座は信大社会基盤研究所との協定であり、信大医学部からの安定的な医師の派遣という項目はない」と関係を否定した。
また、町議会で明らかになった同病院の会計に関する問題について、この日の会見で、「知識がなく、本来のあるべき姿がわからないまま、長年にわたって処理していた。管理も任せっきりで、メスが入らなかった。今回ここで一気に整理した」とし、今後は病院会計に精通する事務所に一部を委託する方針を示した。
今年3月に固定資産台帳と、決算時の償却未済残高に約3億円の差があると発表した。町は今年4月から課題解決のために医療コンサルタントに依頼しており、9月末、経営改善のための実行計画が提出され、10月からコンサルタントが実際に病院に入り支援するという。
町長は「財政の健全化、病床稼働率の向上、在宅医療や透析の強化、外来診療科の維持、健診に至るまで、長年手をつけて来られなかった様々な課題があるが、優先順位をつけて進めていく」と述べた。