【軽井沢新聞11月号】小諸市が軽井沢町内を流れる御影用水の占有料徴収を通知
軽井沢町内を流れる御影用水に、道路から敷地に進入するための通路をかけている町民らに対して、小諸市は令和6年度から占有料を徴収するとして、対象者に事前通知をしていることが分かった。
御影用水は千ヶ滝や湯川を水源とする用水路で、軽井沢から御代田町、佐久市、小諸市を流れている。江戸時代に小諸藩が開削した。水路部分の土地はかつて国有財産で小諸市が水路を管理していたが、平成12年以降、水路や里道が国から自治体に譲与され、町内の水路部分は、軽井沢町の所有となった。歴史的な背景から、管理等は現在も小諸市が行っている。
御影用水に土地が接している住民は、用水路をまたぐように通路を設けているケースがある。小諸市は、軽井沢町に敷地の所有権が移ってからは、占有料は徴収してこなかったが、通路等の占有料について来年度から徴収すると町内の占有者に通知している。
協議内容は調整中だが、徴収を通知
水路の占有料徴収に関する規定を定めた「小諸市公共物管理条例」では、占有料の対象について、敷地が国有地及び市有地であるものに限っている。ところが、今回の小諸市の通知は、軽井沢町が敷地を所有する水路に関して、占有料を課すことになる。
この点について小諸市は「小諸市と軽井沢町で協定を締結することで、小諸市の公共物管理条例が再度適用可能となる見込み」で、協議内容は現在調整中と回答した。軽井沢町も「底地・用水管理・占有事務等について現在協議中」とし、合意が得られれば今年度中に協定を結ぶと答えた。
協定が正式に締結されていない段階で、今年1月に小諸市は占有料の徴収を予告。軽井沢町内の占有者からは、突然の通知に戸惑う声も挙がった。協定後の占有者への説明について、軽井沢町は小諸市と協議し決めるという。
協議等には議会の議決が必要
こうした事例について長野県市町村課は「公共物の占有料が徴収できるのは、原則その自治体の所有地。例外的に区域外(他の自治体の区域内)の公共物もあるが、自治体間の協議と、それぞれの議会での議決が必要な場合がある※」と話している。区域外の公共物の例としては、A市の火葬場や保養所をB町に建てる場合などだが、所有権はA市にある。
今回の用水路の場合、所有権が軽井沢町のままで小諸市が占有料を徴収するには、地方自治法の規定により、自治体間の協議にも、それぞれの議会の議決が必要だ。
(軽井沢町内を流れる御影用水)
※地方自治法第244条の3
普通地方公共団体は、その区域外においても、また、関係普通地方公共団体との協議により、公の施設を設けることができる。 2 普通地方公共団体は、他の普通地方公共団体との協議により、当該他の普通地方公共団体の 公の施設を自己の住民の利用に供させることができる。 3 前二項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。