軽井沢唯一の建築協定 「旧軽井沢森地区建築協定」締結から20年
建築基準法に基づく「旧軽井沢森地区建築協定」が今年10月、締結から20年を迎えた。協定は10年ごとの更新制で、土地所有者からの異議はなく継続が決まった。
同協定は、2001年に起きた同地区内のマンション建設計画に反対した別荘住民の会が中心となり締結し、03年10月に県の認可を受けた。近隣区も含め3件のマンション建設計画は中止となり、別荘分譲計画に変更された。今でも軽井沢では同地区以外で、建築協定は結ばれていない。
建築協定区域は約93,480㎡。区域内の協定加入敷地面積は20年前、全体の33.8%だったが40.6%に増加。協定では、区域内の建ぺい率20%、容積率20%という独自の指標を設定。区域内で建築・開発計画がある際は、事業者から協定代表者へ連絡する取り決めがある。
過去10年には、建築協定区域であることを知らずに、購入者、仲介不動産業者の間で土地売買が行われたケースも。同協定運営委員会の武藤清委員長は「幸い新築計画が協定の基準に添っていたため大事に至らなかったが、周知不足を痛感した」。その後は軽井沢町や佐久の不動産協会へ建築協定の周知徹底を要望するとともに、地区内に建築協定区域だとわかる看板も設置した。
武藤さんは「町や加入者を始めとする関係者の協力で20年の実績ができた。加入者も増加し、近隣には『景観育成協定区域』もできた。引き続き関係者が協力して、より網羅的で実効性のある制度設計を目指せればよいと思います」と話した。
旧軽井沢森地区建築協定区域を周知するため設置した緑色の看板。