信大寄付講座関連の住民監査 448万円に対し追加請求

 軽井沢町と信州大学との連携による寄付講座の公金支出について住民監査請求が行われている件で、4月28日、請求人から新たに追加請求が提出された。

 提出された文書によれば、追加請求の対象は2022年度に特定非営利活動法人軽井沢先端学術センター(KAAC)へ支払われた約434万円と、信大が22年6月まで所有していた恵みシャレ--の建物に関する支出約14万円。2022年度はKAACに、町民講座の企画・設営費、チラシのデザイン印刷代、軽井沢オフィスや観光振興センターのクリーニング代、軽井沢駅前ワークスペース施設利用料などが支払われている。

 監査請求では、売買など当事者の利益が対立する行為において、「A(売主)の代表者等とB(買主)の代表者等が同一人物である場合」を「利益相反行為」に当たると指摘。「信大社会基盤研究所の代表者等とNPO法人軽井沢先端学術センターの代表者等は別人格であるべき」とした(図参照)。

 KAACは大学の研究成果を利活用し、地域の課題を解決することを目的に2017年に設立。当時の理事10人中9人が信大の教員(内、社会基盤研究所6名)と同姓同名だ。以後、両組織には同姓同名の人物が複数いて、信大松本キャンパス内でKAACの総会が行われたこともある。

 2018年から1年間、KAACの住所は、町内にある信大社会基盤研究所の所在地(長倉)に登記され、総会を開催した議事録もあった。この土地建物は、信大が軽井沢町から無償で借りているもので、使用貸借契約書では賃貸物件の転貸を禁じている。また使用の用途は、連携協定に基づく研究に限定されている。

 住民監査請求は提出から60日以内に監査委員が監査し結論を出す。今回のケースは5月中旬に結論が出る予定。

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