信大寄付講座、初の報告会を開催

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 軽井沢町と東大・信大との連携に基づく寄付講座について、初めての報告会が3月3日に中央公民館で行われた。寄付講座は2018年に始まり、町からは毎年5千万円が信大に寄付されてきた。今年度で5年間の期限を終えるが、町は来年度以降の更新について検討している。

 寄付講座では軽井沢病院の医師不足の課題に取り組むとし、臨床と研究ができる体制を整え、現在5人の医師を確保していると報告。医師らは週4日間病院に勤務し、週1日は大学の特任教員として研究するが、病院勤務の4日分の給与は町の特別会計から、研究の1日分の手当てを寄付講座から支払っていると説明した。寄付金年5000万円の内、4500万円が人件費で、2022年度は医学研究8名、法学研究3名、事務局3名が勤務していると明かした。

 このほか成果として、町民講座(5年で9回)、役場内からの相談対応(5年で14件)、信大の学生を対象とした教育プログラムの設置などを挙げた。またアジャイルガバナンスやドローン、エネルギー研究などへの取り組みも紹介された。

 2020年から始まった軽井沢健診についても説明があったが、この取り組みには寄付講座とは別に町から年1500万円の予算が充てられている。

 質疑応答では、「素晴らしい研究」「軽井沢病院が良くなった」「健診の人数が少なく、これで5000万円は高すぎる」など多くの意見や質問があがった。

 会の最後に土屋三千夫町長は「報告会を聞き、私が今持っている町民の感覚、皆さんから出た賛成や反対の意見、過去の報告を含めて評価していく。4月からどうするか時間も少ないが、税金の使い方は住民福祉のために使うべきという原点がある」「5年の(期限を迎える)寄付講座と、軽井沢健診は6年間の契約の3年が終わったところで、それらは繋がっている。どういう形がいいのか、資料を集め、引き続き先生から話を聞いて整理していきたい」とし、来年度以降の寄付講座の更新について検討するとした。

 また報告会の冒頭で、信州大学社会基盤研究所長の丸橋昌太郎教授は軽井沢新聞社の報道に対して「先日の記事は明らかに我々の名誉を毀損する内容が含まれておりますので、本日、長野県警察に刑事告訴致しました」と名誉棄損罪で刑事告訴したことを明らかにした。

 報告会に参加した高崎経済大学名誉教授で別荘所有者の大河原眞美さんは「最終年度の最終月で、最初で最後の報告会ということを考えると、成果を示した配布資料がなかったのは残念だった。フレイルや水素蓄電池の研究についてふれたものの、渋滞、特殊詐欺、初等中等教育など多岐にわたる課題提起が多く、それらが町民にどう還元されたかが分かりにくかった。報告会の冒頭が新聞社を刑事告訴したという発言で始まったため、会場の雰囲気が不穏になり厳しい意見も多く出された報告会であった」とコメントしている。

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