ヴォーリズ後期の傑作「鶴樓」 国の登録有形文化財に

 国の文化審議会は7月22日、旧軽井沢の「鶴樓」(福井家別荘主屋)を、国の登録有形文化財に登録するよう文部科学相に答申した。町内では計17件となる。

 鶴樓は現所有者の福井芙左子さんの祖父が、建築家のウィリアム・メレル・ヴォーリズに設計を依頼し1941年に建築。下見板張りの木造2階建てで、暖炉の石積み煙突が鶴の首の形に似ていることからその名で呼ばれるように。一階のリビングとダイニングを仕切る竹のつい立てもヴォーリズがデザインするなど、建物とインテリアをトータルで考えた造り。「贅沢は敵」という当時の社会情勢で大きな家は建てられなかったため、出窓を多用し部屋を広く見せる工夫もしてあるという。  福井さんは「建ってから81年経ってもびくともせず、増築した部分の方が修理が必要なくらい。大切に使っていきたい」と話した。

2208_news_kakurou.jpg
「鶴樓」(福井家別荘主屋)。暖炉も1度修理したが、今も使っている。

関連記事