5千人超の署名を町長へ

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藤巻町長に署名を提出する羽仁進さん。
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3年前に皆伐し、今も更地のままの田崎美術館前(9月30日撮影)
「軽井沢自然景観会議」は9月7日、軽井沢町長へ「皆伐反対」の要望書と5558名の署名を提出した。


 同会議は、「新幹線開通後、軽井沢へ移住する人向けの土地開発・建設が増加。更地にして販売する手法が多くなり、町内の緑が減少した」ことを指摘。自然を保護するための「軽井沢自然保護対策要綱」がありながら、開発のために林が失われて来た現状をストップしようと、昨年から署名を集めてきた。5000名を超える署名は軽井沢では過去2番目に多い数。「この署名の意思を重く受け止めて、軽井沢の自然景観を大切にしてほしい」と町長へ手渡した。


 「軽井沢自然景観会議」は署名を集めるために結成したグループで、代表は3歳の時から軽井沢で夏を過ごして来た映画監督の羽仁進さん。軽井沢別荘団体連合会や軽井沢文化協会、しいある倶楽部、軽井沢BESEA、軽井沢女性会、軽井沢ナショナルトラスト、サクラソウ会議、われもこうの会等の会員有志で構成されている。署名の約7割が軽井沢に住所がある軽井沢の住民(町民、別荘住民)で、鳩山友紀夫元首相や小宮山洋子元厚労相、田嶋陽子さんら軽井沢ゆかりの著名人も名を連ねている。


樹木を残すことを、行政側も政策的に検討

町は10月末までに対策を回答


要綱はあいまいな表現

 要望書では、「不動産売買・建設のために土地の樹木を皆伐し、更地にすることを止める」「不動産売買・建設の際、道路際の樹木は残し、並木道の美しさを壊さない」「『軽井沢自然保護対策要綱』のあいまいな表現(なるべく、望ましい、できる限り等)は止め、いけないことはいけないとはっきり表記する」の3点を要求し、その解決方法を10月末までに回答することを求めている。


 軽井沢自然保護対策要綱には「敷地内の樹木をできる限り残存させるとともに、建築物などの周囲に植栽を施す」等と記載されている。


「緑は軽井沢の一級財産」

 「軽井沢自然景観会議」代表の羽仁進さんは、「80年以上、軽井沢に来ている。軽井沢が暑くなったのは、緑が減ったことの影響が大きい。森がなくなったら、軽井沢の魅力は失われる」と述べた。藤巻進町長は「私の家の庭にもリスが来る。軽井沢は緑が一級の財産。できる限り緑を残すことを行政としても政策的に色々な面で頑張っていかなければならない。」と応えた。


<住民の声>

■ 新幹線開通後、開業した不動産業者

「土地を買う人には更地の方が家を建てやすい。庭には好きな木を植えて、好みの庭を造ることができる」


■ 約50年、不動産業を営む軽井沢プロジェクトの平林早都美さん

「私共では林を切って売るというやり方はしていない。土地を買った人が必要に応じて切り、好きな木は庭に残す方が軽井沢らしくなる」


■ 7年前に更地の土地を買って移り住んだ高橋さん

「もともと木の無い土地だと思っていた。庭を造るために木を植えてお金がかかった」


■ 住宅展示場建設のために、樹木110本を伐採した建設業者

「町の環境課の許可を得て伐採した。50本を植えるが、同じ樹木ではなく小さい木」


■ 国立科学博物館植物部ボランティアの鈴木崇夫さん

「軽井沢を楽しみたい人は蝶も鳥も楽しみたいと思っている。それには木も花も大切にしなくてはいけない」

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