護岸整備、土質改良のため 雲場池整備工事、11月中旬から

雲場池
秋は紅葉の名所として知られる軽井沢の景勝地、雲場池。
  軽井沢町は11月中旬から4月中旬まで、雲場池の護岸の修繕、底に溜まった土の改良に向け工事を行う。期間中は安全対策として、立ち入り禁止となる。



 雲場池はホテル鹿島ノ森の敷地内から湧き出る「御膳水」を水源とした池で、一年を通じて観光客が訪れることで知られている。広さは約1・2㌶で、北側から上池、下池、町有池に分かれている。近年、落葉などが溜まった部分が、気温上昇により腐食し悪臭を発していた。



 池は民間の管理会社の所有だが、1985年から町が借り受け管理している。町によると、土質改良は90年に上池で実施して以来で、全面的な実施は町の管理になってから初めて。



 工事は池に棲む魚や在来植物を退避させたあとで水をすべて抜き、堆積土に改良剤を混ぜて再利用する。土が一カ所に溜まりにくくなるよう、池の底になだらかな傾斜をつけ整える計画だ。また、老朽化している護岸の木杭を新しくし、水の生物が住みやすくするため、池底の一部に金網の中に石をつめたフトンカゴを設置する。総事業費は約2億1千万円。



 池の周りの美化活動に取り組むボランティア「雲場池を美しくし隊」代表の中山忠夫さんは「水がきれいになるのはいいと思う。一方で、生態系が変わってしまうのではないかという若干の懸念もある」と話した。

関連記事